3:対面・解明
「刑事さん、そんな昔のこと覚えてるわけ無いでしょう」
「そ、そうですかぁ?わ、分かりました」
俺と浅野は如月裕也に聞き込みをしていた。
さすがに天才というだけはある。言葉一つ一つに説得力があるのだ。
「あの〜、川野さんの話では多田先生を恨んでいたとか?」
「あぁ〜、でも刑事さん。そんなんで人一人殺せますか?第一子供が教師の首をナイフでなんてばからしい。ハハハッ!」
確かにそうである。子供が大人を刺し殺すなんて、ありえないかもしれない。
「そうですかぁ。分かりました、調べ直しますね」
「もしかして、僕が犯人だとか?ハハハハハッ」
「あ、ハが二個増えた」
浅野がぼそっと言った。
「馬鹿やろう!」
どうでもいいところで食いつくところがこいつの悪いところだ。
「如月さん、あのぉ〜あなたはどう思いますかね?」
「この事件ですか?」
「はい」
「まぁ、殺人ですよね。犯人の痕跡がないなら、仕組まれた犯罪じゃないですか?」
「ほほう、ありがとうございました」
俺らは科学の臭いが漂う部屋を後にした。
仕組まれた犯罪?だとしたらどんな方法があるのか。俺はふと事件の様子を考えた。被害者の多田は喉を仰向けの状態で刺された。普通、そんな刺され方するだろうか・・・・・・。
「おい浅野、部屋の写真を見せてくれ」
「え、私のですか?」
「違う!職員室のだ!」
「は、はい」
どこまであほなんだか。
「これです」
「ん〜異常なところは・・・・・・あった!」
俺は写真の床と天井を指さした。黒っぽくなっている。しめっているようだ。あせって記録を確かめてみる。
「天井と床に水の後・・・・・・これは、どういうことだ。ろくに調べもしないで・・・・・・これは殺人と関係があるかもしれんぞ!」
「へぇ〜で?」
「だから・・・・・・分かったぞ!」
「え、嘘だぁ〜」
全く信じない浅田を放っておきながら俺は話し始めた。
「首を刺されたんじゃない、首に、ナイフが落ちてきたんだ。多田は当時睡眠状態だったんだろう。つまり、仰向けになっているところに天井からナイフがストーンって!」
「あのしみは?」
「水・・・・・・氷だ!氷でナイフを固定したんだよ、やがて氷が溶け・・・・・・首に落ちた」
「そそ、それだぁ!春一さん、それですよ、犯人はその手を使ったんですよ」
俺は確信した。この事件の真実が分かってきたのだ。これは、仕組まれた殺人だ。後は情報を集め、犯人を突き止めるだけだ!




