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第38話 傷付ける覚悟

本日も38話+39話の2話連続投稿です。

 公園からの帰り道、私は頭の中でさっきの出来事を振り返る。


 いつの間にベンチで寝ていたのか。

 本当に夢だったのかすら、分からない。


 私はいつの間にか握っていた青い花を見つめ、考える。

 あり得ない。夢が現実になるなんて。それなのに、この花が私の考えを悩ませる。

「……この花、名前なんだろう?」


 私はスマホを取り出して花の写真を撮り、検索する。

 

「勿忘草……花言葉は、『真実の愛』『私を忘れないで』」


 

 あの子達は、私に覚えていて欲しかったのかな。

 こんな考え、非現実的すぎる。

 

 ……でも、あの時間は確かにあった。私はそう思わずにはいられなかった。


「……はぁ」

 

 深く、重い息を吐く。


 私は臆病者で意気地なし。


 誰かを好きになって、傷付くことになったら……。

 付き合えたとしても、上手くいく可能性はどれくらいだろう?

 私はその先を考えるのが怖い。


 何もしない方が傷付かなくて済む。

 好きにならなければ、傷付くこともない。

 私は母のように感情に揺さぶられ、振り回されたくない。


 その考えは、今も私の中にある。

 

 でも、それ以上に、君を想う気持ちが大きくなっていく。

 私はそれが怖かった。受け入れることが怖かった。


 今はその恐怖以上に、君の隣に居るのが、私じゃない方が怖い。

 答えは出ていた。

 

 だから、ちゃんと伝えなくちゃ。

 


 

 私は千雅の恋人にはなれない。

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