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悪女?いいえ、サポーターですわ〜悪事がばれて追放された悪役令嬢、神様から幸せのお手伝い命じられました〜  作者: 想


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なんで、こんな事に……

「なぜですの?」


 私は目の前の王子に詰め寄る。

 学園最後の卒業パーティー。

 シャンデリアが眩い光を放っている。

 最高の1日になると信じて疑わなかった。


「私は殿下の婚約者として、完璧だったはずですわ。なのに、なぜ婚約破棄などとおっしゃるの?

 っ、まさか、その女に唆されたのでは……」


「黙れ! 貴様の罪状は明白だ。聖女シエルに対してのいじめや脅迫、誘拐まで!

 証拠は全て揃っているぞ」


「それは、その女が……」


「聖女にそのようなことをしておいて、国母になれるとでも?

 ——笑わせる。

 いいか、これは両家も了承済みだ。私はシエルと婚約する。貴様の罪状で追放としただけでも、貴様の両親の温情であるとわからないのか?」


「……両親が? いいえ、私は悪くありません。

 その女が、殿下に色目を使うから」


「もう聞きたくない」


 その言葉に、静かな憤りを感じた。

 私の婚約者のはずの殿下は、なぜか私ではない女を側に置いている。

 

 彼は私から一歩距離をとった。

 煌びやかなホールが、やけに広く感じた。


「皆、聞いてくれ!

 今ここで、私アーサー・リガルドはレイラ・カートラとの婚約を破棄し、聖女シエルを新たな婚約者とする事を宣言する。

 ——罪人、レイラを連れて行け」


「殿下っ! お待ちください!」


 私は必死に弁解しようとしたが、兵士たちに取り押さえられた。


 気がつくと、割れんばかりの拍手と喝采がホールにこだましていた。

 見慣れたはずの景色が、段々と色を失っていく。

 自分だけが、取り残されたようだった。



「お嬢様。どうなさったのですか!」


 馬車で待機していた乳母が駆け寄ってくる。

 暗闇に佇む馬車は、どこか異質な雰囲気を放っている。


「ばあやには、関係ないわ!」


 そう吐き捨て、そのまま馬車に乗り込んだ。


「早く乗って! 出発できないでしょ」


「お嬢様……」


(こんなのおかしいわ。確かに、あの女のことを殿下は気に掛けていましたわ。でも、婚約にはなんの問題もなかったはずでしたのに。

 それに、お父様、お母様もよ! いつから知っていましたの!?)


 私以外は皆知っていた。

 両親はいつも殿下の話をしている私を見て、嬉しそうにしていたのに。


(なのになぜ、一言も相談してくださらなかったの?)


 私の中で何かが崩れ落ちた気がした。



 いつのまにか馬車は出発していた。


 事情を知らない乳母が、チラチラと視線を向けてくる。

 しかし説明する気力がでなかったため、気付かないフリをした。

 ……そうしているうちに疲れていたのか、深い眠りに沈んでいった。



 ゴン!

 頭部に鈍い痛みが走る。


「きゃーーー」


(何事ですの!?)


 突然の悲鳴に飛び起きる。

 辺りを見回すと鋭い剣を持った男がニヤニヤしながら乳母の髪の毛を掴んでいる。


「お嬢様! 盗賊です! お逃げください!」


 乳母は私を守ろうと必死に抵抗していたが、逃げる間もなく髪の毛をつかまれ、無理矢理外に引きずり出される。


 いつものような木漏れ日は感じられず、不気味な森が静かに広がっていた。

 

 よく見ると、御者がうつ伏せに倒れている。


「っ何をしているの! 私を助けなさいよ!」


 御者を必死に揺すり、起こそうとするが

 ——おかしな事にまったく反応がない。

 それどころか、腹部から生暖かい液体が溢れ出てきた。


「っひ!」


「無駄だよ、お嬢さん。そいつはひと足先にあの世さ」


 リーダー格の男がそう言いながら、松明を手に持ち、近づいてくる。


「どういう事ですの!?」


 体がひとりでに震え始める。


「まあ、無理もねえなぁ。だが、安心しな。お前もすぐに行くんだから」


 男が剣を近づけてくる。 

 炎に照らされ、一部分だけが妖しくくすんで見えた。


「っ、下がりなさい! 私が誰だかわかっていますの!」


 男は歩みを止めず近寄ってくる。

 その目にはなぜか憐れみが浮かんでいた。


「知っているとも。お前は死ぬほど恨まれてたってことさ。これまでの人生を振り返ってみるといい。

 ——まあ、もう遅いか」


 ブスッ。

 腹部に強烈な痛みが走る。

 一瞬、何が起こったか理解できなかった。

 男に無理矢理下を向かされる。


 ……剣が、体を貫いていた。


「じゃあな」


 男は思いきり剣を引き抜いた。

 自分から何かが吹き出し、あたりに飛び散る。

 そして気づいた時には、冷たい地面が目の前に広がっていた。


(っ痛い痛い、痛過ぎますわ! この男、私を知っているのにも関わらずっ!

 ——そういえば、乳母の姿が見当たりませんわ! きっと、助けを呼びに……)


 しかし、少し離れたところに乳母も倒れているのがかろうじて見えた。


「……あ」


(どうしてですの? 乳母まで……)


 ——私のために。


 身近な人々の死に、目の前が赤く染まっていく。


 なんで、こんな事に……。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


人生で初めて小説を書いたので、至らないところもあると思いますが、楽しんでいただける作品を目指して頑張ります!


さて、レイラはこの後どうなってしまうのでしょうか……?


続きも読んでいただけると嬉しいです。

ブックマークや☆評価も、執筆の励みになります!


これからもレイラの物語をよろしくお願いいたします!

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