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第17話 乗り合い馬車にて

ゴトゴトと馬車に揺られ3人は、ほかの冒険者と落ち合うため、ある村に到着した。


「よぉ、3人とも、話は聞いてるぜ。」


そう喋りながら例の冒険者の3人が馬車の荷台に乗ってきた。


「俺はフリン!こいつがクルヴァでこっちがシエロ。あんたら名前は?」


「あぁ、おれがドロガで、マリナとクロス」


6人はよろしくと挨拶を交わした。フリンは紙コップに水を注ぎ、全員にわたした。


「では、まず、この出会いに乾杯!」


戸惑いつつも他ふたりが順応してるのを見てドロガら3人も乾杯をした。


「という訳だが、あんたらのとこに司祭はいるか?」


「あぁ。俺だ。」


「俺たちは今司祭を探してる。」


一瞬だけ場が凍りついた。


「なんだ。軟派しようってのか?」


「あぁ。実際クルヴァも軟派してついてきたやつだ。」


するとすかさずクロスが口を挟んだ。


「お断りだ。俺はこのパーティ専門の司祭だ。悪いが他を当たってくれ。」


「おぉ。かっけぇなぁ?えぇ?」


少し煽り口調のプリンは喋りを続けた。


「しかしだ、クロス君。君ももっと柔軟な頭が必要だぞ?」


「俺はドロガについて行く。頭が固くたっていい。1度こいつに命をあずけたんだ。今更巣を変える気はない。」


「そうか。残念だ。気分が変わったらいつでも言ってくれ。」


少し前のめりだったフリンは壁にもたれかかった。するとシエロはフリンに話しかけた。


「クルヴァ様のことは言わなくてもよろしいのですか?今の話のままだとクルヴァ様がかっこ悪いと捉えられてしまうかもしれません。」


1度ため息を着いて「あぁそうだな」と首を縦に振ったフリンはクルヴァについて話すことにした。


「クルヴァは元々強い戦闘員だった。でも、ある時ダンジョンで片足を飛ばされてからあっさりパーティの中で奴隷扱いだった。」


フリンはおもむろにクルヴァの右足の裾をたくしあげた。


「以来、こいつは喋れなくなるまでこき使われて死にかけのところをそのパーティから買いとったんだ。あいつらは最後までこいつを物のように扱いやがった。だから口にも傷があってこのバンダナで隠してんだ。」


「酷い……」


3人は絶句した。


「まぁ、でもこいつがいつか喋れるようになるまで俺らは気長に待つことにしてる。筆談で喋れるしな。」


クルヴァはこくんと1回頷いた。


「んでもって現在、前衛としては申し分ない実力だが、そいつらのせいでギアが上がんねぇんだ。もっともっと強くなると考えてる。」


クルヴァはまた、こくんと1回頷いた。


「で、話が長くなったがお前らの話も聞かせてくれ。」


「あぁ。おれは不死身の身体とたった2年の命がかけられてる。」


「まじかよ!そんなことあんのか……じゃあ期間限定アンデッドみたいなことか!?」


クロスと同じこと言ってる…とドロガはジト目でクロスを見つめた。


「でも、そういやドロガの詳しい話聞いてないよな。」


「そういえばあーしも!」


「聞きてえな! 」


「興味があります。」


5人からの興味の目にドロガは行き詰まった。


「あぁ、いや、、なんて言うか…」


「ねぇ誤魔化さないでよ!あーし結構喋ってたでしょ!」


「まぁ…そうだっけ?」


「まぁ、いい。話す気になったら話してくれ。」


「いや、別に隠してた訳じゃないぜ。おれは…」


ドロガは村が魔物によって消されたこと、その後アリスいうエフルに予言されたことを話した。


「うそ…かわいそすぎる…」


「お前…可哀想だな。」


5人は酷く同情した。


「やめろよバカ。それが嫌だから言いたくなかったんだ。」


「悪かったよ」


笑いながらクロスは肩を叩いた。


「でも、自然にかつ、後天的にアンデッドになることなんてあるのか?」


「そこが不思議なんだよな!」


そういうドロガに一瞬黙った。


「あと、アルタンっつー魔法使いもいたな。」


そうドロガが話を変えた。


「あぁ、アルタンね。懐かしい。」


「そんなやついたのか?」


「あぁ。あいつはあいつの旅に出たんだ。」


「旅にか…そいつにはそいつの旅があったんだろうな。」


「あぁ、いつか再開してお互いの旅の果てを見せ合いたいんだ。」


「で、フリンみたいなおっさんがシエロちゃんみたいな可憐な子を連れ回すの意味わかんないんだけど」


「おっさんじゃねぇよ。まだ26だ!」


そしてフリンはシエロとの出会いを話し始めた。


「俺の最初の出会いはシエロだった。シエロは魔法学窓の出でな、少ししか魔法が使えないおれにとって魔法学窓は手に届かない場所だった。でもシエロはそんな俺に手を差し伸べてくれた…」


***


「ねぇ、フリン様。あなたに魔法の才能はありません。でも、騎士として私を引っ張っていってはくれないでしょうか?」


「どういうことだ?」


「私は旅に出たいのです。世界を見て回りたい。フリン様、もう一度言います。騎士として私を引っ張っていってはくれないでしょうか。」


フリンは呆れて言った。


「俺には騎士になる力もない。だからついていけない。悪いが他を当たってくれ」


「あなたが日々魔法以外の鍛錬をしているのは知っています。あなたには十分すぎる程の力と魔力があります。いいから黙って着いてきなさい。」


「はぁ…魔法学窓の人間はみんなネジがぶっ飛んでるのか?いいぜ、シエロ。負けたよ。俺がお前の指針になる。」


***


「シエロちゃんかっこいいねー!」


そう言いながらマリナに撫でられるシエロは顔を赤らめた。


「なんだ、話聞く限りはお前はヘタレだな。」


「ぶっ殺すぞ!!!」


クロスの一言にフリンは叫んだ。


「でも魔法学窓ってなんだ?」


「あぁ。世界魔法連盟が主催してる魔法検定を受けるための、言わば学校だ。魔法検定には4級、3級、2級、1級、そして特級までがある。この検定をクリアしていれば晴れて世界魔法連盟から正式に魔法使いと認められるんだ」


「そしたらなんかあるのか?」


「いや、連盟協会がある村で良い待遇を受けられるくらいだな。でも取ってて不利益はない。暇があれば行ってみるといいさ。検定なんか連盟協会があればどこでも受けれるからな。」


ドロガのいつもの疑問の乱打にすらすらと答えていくフリンに、マリナとクロスは「あいつとすらすら会話できてる!!」と感激していた。


「さて。本題だが…俺たちは俺たちはパズブランカに着いたら数ヶ月程そこを拠点にプロシェヴィルグに入るための路銀を貯める予定だ。お前らもそうだろ?」


すると堂々とした姿勢でクロスが言った。


「いや、俺らはドゥンケルハイトを経由する。」


フリンら3人は驚愕した。


「うそだろ!?あんな危険な場所をなんで通るんだよ。」


「うちのリーダーがそう決めたんだ。そうするしかねぇだろ」


そういうクロスにフリンは驚きのあまり震えながら言葉を発した。


「お前らそいつの傀儡かよ」


「ちげーよ。俺らはこいつに命預けてんだよ」


「ちょっと震えるけどね」


そういうクロスとマリナに驚愕するフリンはドン引きしていた。


「はっ…クロス、マリナ…お前らまじわかんねぇよ。」


「そうか?元々そういう扱いだったからな。」


クロスはそう吐き捨てるとフリンは苦虫を噛み潰したような顔をした。


「さて、パズブランカに到着したらみんなで飯でも食いに行くか!」


そういうドロガに5人は転げた。


「なんでこの空気でそれが言えるんだよ。」


ドン引きするマリナとフリンら3人にクロスは爆笑していた。


「まぁ、うちのリーダーはこんなもんだ。せっかくの馬車だ。ラフに行こうぜ。」


***


「その剣もしかして、ドワーフ製か?」


そういうフリンにドロガは目を輝かせた。


「そうなんだよ!グランバザールで買った代物でさ、切れ味もいいんだ。」


「グランバザールってことはネペロ通ったのか!俺たちも通ったぜ!南方の人間だろう?」


「あぁ!コメンサール公国で生まれ育ったんだ」


「そうか…俺はのここから遥北東から来たんだ」


あっさり意気投合した6人は既に喋り倒していた。


「あーしは白魔術だけど黒魔術ってなにがあるのー?」


「マリナ様の白魔術には到底及びもしないですが、例えば、斬撃の魔法とか、腐食の魔法とかあと痛み分けの魔法とか、あと、通常攻撃シャトーノーンもあります。」


「シャトーノーン!あーしも使えるよ!」


「ほんとですか!?シャトーノーンは通常魔法ですもんね!ではマリナ様は魔法学窓出身ですか? 」


「ううん。ちっちゃい頃から魔法叩き込まれてたってだけ。あと、痛み分けの魔法?どんな魔法なの?気になる!」


「痛み分けっていうのは自分の身に起きたダメージやデバフを対象の相手に半分以上を受けさせる魔法です。」


「黒っぽいね。」


「いえ、白魔法にも似たような魔法があるはずですよ。」


「苦痛代わりの魔法!」


「ピンポンです!」


***


クロスはクルヴァに話しかけた。


「おーい。お前生きてんのか?好きな飯とかねぇのか?」


クルヴァはサラサラとノートに書き連ねた。


『フロンティア境界の肉巻きおにぎり』


「おお!俺も1回食ってみたいんだ!南に降りたことがねぇからよ!で、お前はなんであいつについて行ってるんだ?助けてもらったからだけじゃねぇだろ。」


またクルヴァはスラスラと書き始めた


『最初はこの先の虚無に怯えてついて行った。しかし今はあいつの見る夢を一緒にみたい。と考えてる』


「そうか。俺もそうだ。元は暇つぶしの感覚だった。でも気がついたらあいつに命預けてたんだ。フリンもそんな感じあったのか?」


ブンブン


「ははあっ無かったのかよ!」


すらすらとクルヴァは書いた。


『僕は元々強い戦士だった。だから知識がある。よって聞きたい。お前は司祭だけ?なにか兼ねてはないのか?』


「いやぁ俺は司祭だ。ヒーラー一辺倒だよ。」


『なら言うが、お前には素質がある。その引き締まった体、それにその魔力。』


「どゆことだ?」


『お前は戦闘員にも向いている』


「いや、前衛はもういるぜ?」


『魔法を駆使しろ。すればドロガ君の右腕になれる。ヒーラー もとい 戦士よ』


「戦士って…わかった。もっと前に出てみるよ…」


クルヴァはバンダナで覆い隠された奥の顔でにこりと笑った。


それを見たフリンはすかさず叫んだ


「おい!クルヴァがちょっと笑ったぞ!」


シエロがすぐにクルヴァはいうもどおりだった。を立つとクルヴァは真顔に戻っていた。


「あーまた2ヶ月後だな」


「そうですね…」


マリナはすぐに話に割行った。


「そんな笑わないの?」


「あぁ、2ヶ月に1、2回だな。」


「へぇ、それはレアだね」


「あいつツボがわかんねえんだ。前も…」


***


海沿いを歩いている時、


「布団が吹っ飛んだ!」


シーン


「コンドルがくい込んどる!」


シーン


そして海の漣が吹いた時だった。


ザザーン


「ふふっ」


***


「俺の渾身のギャグで笑わないで漣で笑うとか酷くねぇか???」


「たしかにねぇ。まぁ、でも、いいんじゃない?笑えるなら!」


マリナは大袈裟に半べそかいたフリンの頭を撫でた。それを横目にクロスは、ははっと言った。


「しかしだな。こうも笑わないとなると逆に笑かしたくなるな。」


「どういうこと?」


「今からクルヴァを笑わせたら勝ちゲームしようぜ!」


***


結果はあきらかに惨敗だった。


「漣で笑うやつがなんでギャグ真顔なんだよ!」


そう叫ぶクロスにマリナは大笑いした。


「まぁ…いいんじゃねえか?」


笑いを堪えて声を震わせながら言うドロガにクロスは落胆した。


「おーい、パズブランカが見えて来たぞー。」


そういうコサにみなが前を向いた。


「見晴らしいいな〜!」


ラテオ王国北部にはエルトライゼ高原が広がっていた。それはプロシェヴィルク全域、ドゥンケルハイトの西部、領土2分の1を飲み込むようており、パズブランカへは見晴らしの良い道のりだった。


「俺はここまでだ。この街を真っ直ぐに広がってる要塞がパズブランカだ。」


「ありがとな!」


そういうドロガにコサは答えた。


「パズブランカは厳重だ。関所を通れなければ入ることはできない。わかったな?」


6人が頷いたのを確認したコサは6人に白い粉の入った袋と人形を渡した。


「これは乾燥剤で人形はお守りだ。」


続けてコサは話し始めた。


「最後にお前らの荷物にバッグの中を見えなくする魔法をかける。この魔法の制限時間は持って20時間だ。それまでに関所を通過しろ。いいな?」


「おう!」


6人はパズブランカへ歩き始めた。

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