第八話【魔障石】
今回のお話は第七話の翌日の出来事です。
ステータス
アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv16
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力5400 攻撃力210
守備力210 魔法攻撃力150
魔法防御力160 速さ120
武器 鉄の剣
防具 皮の鎧
メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv13
【才能】??? 職業【奴隷】
体力4100 攻撃力160
守備力165 魔法攻撃力30
魔法防御力110 速さ230
武器 鉄の短剣
防具 皮の鎧
スキル
同化時【白の舞】
──翌日。
メダリアを連れてアレンはギルドへ訪れていた。
「相変わらず賑やかだなここは…。ってどうした?メダリア」
ギルド内には、様々な冒険者や職人達が雑談をしていたり、酒場で酒を昼から楽しんでいたりと活気に満ちあふれている。
そんな場所に萎縮したのかメダリアはアレンの後ろに隠れて縮こまっていた。
「ううっ…。私ここにいて大丈夫です?」
「ん?大丈夫だメダリア」
アレンはそう言いながらメダリアの頭を撫でつつ、クエストボードに貼られているクエストを吟味していた。
「ほんとかなぁ…」
不安げながらも頭を撫でられるのは悪い気がしないのでされるがままになっているメダリア。
「おっ、これなんかいいんじゃないか」
アレンはそう言ってクエストボードに貼られていた一枚のクエストをメダリアに見せた。
「アルフ鉱石の採取と護衛ですか」
依頼主はこの街の商人で、最近アルフ鉱石の採掘量が減り困っているのだという。
そこで、護衛を雇おうとしたのだが生憎手が空いている人がおらず困っていたらしい。
「困ってる人も助けつつ俺たちのレベルも上げられる一石二鳥だろ?受けるか?」
「そうですね受けましょう!」
「おし決まりだな」
そう言うと、アレンは受付カウンターへと向かった。
「ちは〜。ご用件どーぞ〜…ってアレンじゃねーか何しに来たんだ?」
受付のヘルマが眠たげな目を擦りながら気怠そうに対応する。
ヘルマは、アレンと同じクラスメイトだった。
そんな彼の髪には寝癖がつき、目の下の隈が目立つ。
「ようヘルマ。相変わらず不真面目だなお前は」
「おいおい……アレンお前に言われたくな……ふぁ〜…」
「欠伸してんじゃねーか」
「だって……仕事……めんどい……」
「ったく……」
アレンは呆れつつもため息をつくと要件を話す。
「この依頼を受けたいんだけど」
「はいよ〜」
アレンは先程のクエスト用紙をヘルマに渡すと、ヘルマはあくびをしながらその紙を受け取った。
「はい確かに。え〜っとアルフ鉱石の採取の護衛ね。この辺だと……この辺りだな」
地図を取り出して確認すると、とある場所を指差す。
そこはここから馬車を使って三時間ほどかかる場所にある山岳地帯アレンとメダリアがガドラドと戦った場所だ。
「分かった。ありがとう」
「おうよ〜。てか、お前他の冒険者や先輩方から聞いたけどよくガドラド倒せたな。そんなに強かったのか?お前」
アレンとメダリアがガドラドを倒した日。
アレンは、ギルドにクエストの報告とガトラドの出現の旨と撃破報告の為、訪れていた。
その日、担当していた受付嬢はアレンから聞いた報告に半信半疑だったが、アレンが懐からガドラドの角を出すと、それはもうギルド中大騒ぎだった。
何せアレンは才能を持っておらず、しかも最弱職の魔物使い。
そして、中級レベルの冒険者が苦戦しながら倒せる強さのガドラドを低レベルのアレンが倒したのだ。
無理もない。
「まあ、運が良かっただけだよ。それに俺一人では絶対倒せなかった。この子のお陰だよ」
そう言いながらメダリアの頭の上に手を置くアレン。
「えへへ…」
褒められたメダリアは照れたように笑みを浮かべた。
「そうか。そういえば、コールが風竜ウィンドラゴを一撃で倒したらしいぞ」
「そうなのか。まぁ…クソ野郎とは言え、実力は本物だからな。素材はどうしたんだ?」
「さぁ?倒した後亡骸も見ずに帰ったらしいからな」
「おいおい…。大丈夫なのか?それ」
「大丈夫だろ。」
ヘルマの言葉にどことなく嫌な予感を抱えつつも、アレンは苦笑いで返すと、
「とりあえず行ってくるわ。じゃあな」
そう言ってアレンはギルドを出た。
───────────────
「さてと、早速出発するか」
「はい!」
ギルドを出るとアレン達は、商人の元へと向かい護衛の依頼を引き受けた事を話した。
「という訳で短い間だがよろしく」
「こちらこそ宜しく頼みます。そちらのお子様は…て奴隷ですか」
「ああ、そうだけど。何か問題あるか?」
アレンは、商人が明らかに嫌そうな顔をしたのを見逃さなかった。
「いえ、別にそういうわけでは……。ただ、あまり良い気分ではないだけで。まぁ護衛をして下さる見たいですし文句は言いませんよ」
商人はそう言うと、そっぽを向いて馬車の運転席へ乗り込んで行った。
(奴隷嫌いの人って結構いるんだよな)
アレンは心の中で呟きつつ、メダリアをちらりと見ると申し訳なさそうにしていた。
「仕方ないさ。メダリアが気にする事じゃねーよ。さ、行くぞ」
アレンはそう言うと、メダリアの背中を押して馬車に乗り込み、メダリアを窓際に座らせて景色を楽しませる事にした。
「じゃあ出発しますよ。ハイヤー!」
商人の掛け声と共に馬型モンスターが走り出す。
馬型モンスターの身体には、馬型モンスター専用の鎧が身に付けられていて、走るには邪魔そうだがそれを感じさせない力強い走りだ。
馬車の中は意外に広く、中にはソファーやテーブルが置かれていた。
最初は暇になると思っていたのだが、メダリアは窓から見える外の風景に興奮しているようで目を輝かせていた。
そんなメダリアを見ていると微笑ましく思い、アレンも自然と頬が緩む。
「ん?ご主人様どうかしましたか?」
「んにゃ、何でもねーよ」
アレンはそう言うと再び視線を外へと移す。
(いつの日か奴隷という身分が無くなればいいのだが)
アレンは心の底からそう願った。
─────────────
「ふぅ〜……着きましたぞ」
それから数時間後、アレン達を乗せた馬車は目的地である山岳地帯に到着した。
スラール山岳地帯は、スラスト平原から北東のスライルの森を抜けた先にある鉱石が豊富な山岳地帯だ。
この山には、鉱石が露出してる場所が多く存在し、採掘場として重宝されており鉱山夫も多く存在する。
しかし、その反面魔物の出現率が高く、油断すれば命を落とす危険地帯でもある。
「よく頑張ってくれたな。ホー。休んでいてくれ」
商人は、ここまで運んでくれた馬型モンスターランホースのホーの頭を撫でると、ホーは気持ち良さそうにして商人から出された水を飲んでいる。
「仲…いいんですね」
その様子を見ていたメダリアがポツリと呟く。
「ああ、昔から一緒にいたものですから。私にとっては家族みたいなもんです」
「ふふっいいですね」
メダリアがニコッと優しい笑顔を浮かべる。
「……!あ、ああそうでしょう?奴隷なのに中々見る目があるじゃないですか。私とホーは親友なんです」
商人は少し嬉しそうにしていた。
「それにこの馬鎧も凄くかっこいいですね!」
「えぇそうでしょうそうでしょう!実は、この馬鎧は“シルクハットを被った冒険者から購入しまして特別な鉱石を使用している”らしく何でも──」
「盛り上がっている所悪いんだが、そろそろ採取を始めないと帰る頃には暗くなるぞ」
商人とメダリアの話に割って入ったアレンは苦笑いしながらそう言うと、商人はハッとした顔になり、
「そうでした。すみません。つい熱くなり過ぎてしまいまして……では始めましょうか」
商人はそう言うと頭を下げ、バックからツルハシを取り出して、露出している鉱石を掘り始めた。
作業自体はスムーズに進み目的のアルフ鉱石を商人は、次々に採取していく。
アレンとメダリアの仕事は、たまに鉱石に紛れた岩石系のモンスターの撃破だ。
岩石系のモンスターは、防御力が高く物理攻撃が効かないが代わりに、魔法防御力が弱くアレンの魔法でも倒せる程度だ。
そして、スラール山岳地帯の岩石系のモンスターは攻撃を受けてから反撃するモンスターが多くテイムがしやすい為、岩石系モンスターのゴロゴロ、ミニミニゴーレム、岩蛇の三種類のモンスターをアレンはテイムした。
ゴロゴロは岩石そのままの見た目に目玉が付いた一つ目のモンスター。
ミニミニゴーレムは岩石に魔力の宿った存在ゴーレムの小さいサイズのゴーレムで30セトラ程の大きさだ。
岩蛇は、身体が岩で出来ているモンスターだ。
ちなみにメダリアも戦闘に参加しているのだが、基本的に後方支援に徹して、アレンに回復薬などを渡したり、アレンが倒し損ねたモンスターを攻撃が弾かれながらも倒したりしている。
「よし、これで終わりですな。後は街に戻ってギルドに報告するだけです」
目的の数アルフ鉱石を集め終わった商人は、満足気な表情をしていた。
「それでは帰りますか。ホー帰りも頼む」
商人は、馬型モンスターランホースのホーに呼びかけるが反応がない。
どこか苦しそうに呻いている。
目は血走り、身体からは“蒸気のような紫色の煙”が上がっていて明らかに様子がおかしい。
「おい大丈夫かホー!しっかりしろ!」
商人の必死の叫びにもホーは応じる事が出来ずにいた。
そんな中紫色の濃密な煙はどんどん勢いをましていく。
「これは魔障!?どうして魔障が急に…」
魔障は、モンスターを倒した後に遺体から吹き出す有害な物質で、モンスター以外の者が大量に魔障を浴びればモンスターに身体が変化したり、命を落としたりする。
だが、モンスターも耐性はあるものの多量の魔障を取り込むと心身に異常をきたして暴走、死に至る。
そんな恐ろしい有害な物質なのだ。
「もしかして…商人さんがさっき、馬鎧に特別な鉱石が使われているって言ってましたけどそれが原因じゃないですかご主人様」
「……多分そうだな。何らかの技術で魔障を鉱石に変換、“魔障石”として馬鎧の素材に使ったんだ。だとしたら相当やばいな」
アレンとメダリアが話している間も、商人は必死にホーに声をかけ続ける。
しかし、それでもホーが正気に戻る気配はない。
それどころかホーの身体が変化していく。
背中に翼が生え大きくなっていき、手脚は細く長く伸びていき、頭には角が生え、尾が伸びる。
その姿はまるで悪魔のように禍々しい姿をしていた。
グォオオオオン───!!!
「くっ……!ホー!目を覚ませ!!」
馬型モンスターランホースは濃密な魔障により、商人が今まで共に歩んできた相棒とは姿形もかけ離れた正しく恐ろしいモンスターに変化していた。
「クソッ!こうなったら俺達でやるしかない!商人アンタは下がってろ!やるぞメダリア!」
「はい!ご主人様!」
アレンとメダリアは、剣構える。
以前、ガドラドとの戦いで壊れた盾はアルトリアに新しく作ってもらった。
商人は、ホーを元に戻そうと何度も呼び掛けていたがどうする事も出来なかった。
だからと言ってこのまま放っておくわけにもいかない。
それは商人も分かっていた。
だが、親友を諦めきれなかった。
「くそ……お願い…します。どうかホーを助けてやって下さい…!」
商人は、涙を流しながら懇願するようにアレンとメダリアに思いを託した。
「安心してください!必ず助けますから!ご主人様行きましょう!」
メダリアの言葉にアレンは力強く返事をする。
「ああ、行くぞメダリア!」
「はい!ご主人様!」
アレンとメダリアは同時に駆け出した。
グルル───!
悪魔のようになった馬型モンスターランホースは、アレンとメダリアを見て、敵意剥き出しの表情を浮かべると、突進してくる。
「遅いです」
メダリアはすれ違いざまにランホースを飛び越え、背後を取る。
「いいいいやああああッッ!!」
そして、ランホースの背を斬りつける。
キィン─
だが、頑丈な馬鎧に弾かれてしまう。
何度も斬りつけるがダメージが入っている様子はない。
「ならこっちだ!」
今度はアレンがランホースの正面に立ち剣を構える。
「はぁあああー!!」
アレンは力任せに剣を振り下ろす。
アレンの攻撃は、ランホースの肩に当たるが、やはり効いていない。
「硬すぎだろ!?」
ブルルル──
ランホースは、振り向き様に前脚でアレンを薙ぎ払おうとするが。
「うおっ危ねえ!」
アレンは咄嵯に屈んで避ける。
「お返しです」
その隙に、ランホースの足元に移動したメダリアは、ランホースの顔目掛けて鋭い蹴りを放つ。
ガルゥアアッ──!
ランホースの顔面に直撃するが、それでもランホースは倒れる気配を見せない。
「硬いですね…。でも、これなら!」
そう言うと、ランホースの体制を崩そうと脚に狙いを定めて連続で斬撃を浴びせる。
だが、それも全く意味がなかった。
「チィ……やっぱり物理攻撃はダメか。なら次は俺の番だな!」
アレンが魔法の詠唱を始める。
「火の精霊よ・かの者を焼き払え」
ガドラド戦の時にも使用した火魔法【ファイド】だ。
無数の火の玉がランホースに襲いかかる。
だが、それすらも馬鎧によって防がれてしまった。
「まだまだいくぜ!」
アレンは次々と魔法を唱える。
「氷の精霊よ・凍てつく槍となりて貫け」
氷魔法【アイスランス】
「風の精霊よ・疾風を纏いて切り刻め」
風魔法【ウィンドカッター】
「雷の精霊よ・裁きの光を降らせ」
雷魔法【ライトニング】
アレンは様々な属性の魔法を唱え、あらゆる角度からランホースを攻撃する。
氷の槍が、風の刃が、雷の雨がランホースに襲いかかる。
グォオオオン!!
ランホースは苦痛の声をあげる。
多少ダメージは入った様だが、それでもまだピンピンしていた。
「嘘だろ……?どんだけなんだよコイツ」
アレンが呆気に取られている間に、ランホースはアレンに向かって突進する。
「ご主人様攻撃が来ます!」
「ああ、分かってる!前はこれでダメージを食らったからなっと」
アレンは、横に飛び退き突進を避けながら再び詠唱を開始する。
「水の精霊よ・水塊となって敵を穿ち抜け」
水魔法【アクアバレット】
アレンの指先から水の弾が放たれ、ランホースに向かって飛んでいくがランホースは、それを“大きく後方へ飛び回避”した。
今まで頑丈な馬鎧に守られている為、アレンやメダリアの攻撃を回避しようとしなかったランホースが初めて回避行動をとったのだ。
そしてそれをアレンは見逃さなかった。
「もしかしてこいつ…」
アレンは何かに気付いたらしく、ニヤリと笑う。
「ご主人様?」
「メダリア、俺に考えがある。あいつの注意を引き付けてくれないか?」
「はい、分かりました。やってみます」
「頼む。俺はその間に準備をする」
アレンは、メダリアに指示を出し、次の詠唱を始めた。
グルルルルァ───!!!!
ランホースは怒りの雄叫びをあげ、アレンに向かって突進していく。
「させません!」
メダリアはランホースの回りをぐるぐると素早く回り始め、撹乱しながら時折攻撃し、ランホースの意識を自分へと向けさせる。
グルル──!
そんなメダリアをうっとおしく思ったランホースは、標的をメダリアに絞り、ランホースの前脚がメダリアを吹き飛ばそうと迫ってくる。
「フッ!」
メダリアは、ギリギリまで引き付けてからジャンプしてランホースの攻撃をかわす。
「今です!ご主人様!」
「助かる!!」
アレンは、ランホースの背後で魔力を練っていた。
「土の精霊よ・大地を沈ませ自由を奪え!」
アレンが唱えたのは、土魔法【アースクエイク】。
地面を沈降させて、相手の体制を崩す魔法だ。
ランホースが立っていた大地が沈降してランホースは、バランスを崩し。
「水の精霊よ・水塊となって敵を穿ち抜け」
再びアレンの指から水の弾が発射され、今度は見事にランホースに命中した。
グギャアアアアッッ───!?
【アクアバレット】を食らったランホースは、身体から魔障が吹き出し苦しみ始めていた。
「やっぱり思った通りだ。こいつの弱点は水だ!」
アレンは確信したように叫ぶ。
「水が効くのですか?」
「ああ、間違いない。あの馬鎧に使われている魔障石の耐性が水属性だけ低いんだろうな。だから俺の他の属性の魔法やメダリアの物理攻撃があまり効かなかったんだ。さて、弱点も分かった事だしそろそろあの商人の為にもケリを付けないとな」
「水の精霊よ・かの者に水の加護と導きを」
水魔法【アクアフォース】を唱えるとメダリアの短剣が淡い青色の光りに包まれる。
「ご主人様これは…?」
「メダリアの短剣に水の属性を付与する魔法だ。これならあの馬鎧も破壊出来るだろう。決めてこいメダリア!」
「はい!」
アレンに水属性を付与されたメダリアは、ランホースに向かって走り出し、ランホースの懐へ潜り込み馬鎧に向かって縦、横、縦の三連撃から、一歩前にステップしてX字に斬りこんで行く。
ビキッバキッ
馬鎧が音を立てて少しずつ少しずつ壊れ、縦横無尽のメダリアの剣撃が確実にダメージを与えていく。
両の短剣を振り下ろし、薙ぎ払い、突き上げ、叩きつける。
バキバキッビキッ
「いいいいいいやああああ───!!」
メダリアは体の遠心力を使った渾身の回転斬りを放ちそして、遂に───
バキンッ!
馬鎧は大きな音を立てて崩壊。
大量の魔障を吹き出しながら消滅していきランホースは元の姿に戻っていった。
「よくやったなメダリア!」
「はい!ご主人様!」
アレンとメダリアは、ハイタッチをして勝利を称え合っていた。
「ホー!大丈夫か!?」
先程まで隠れていた商人がランホースやアレン達の元へと駆け寄る。
「大丈夫。命に別状はない。少し安静にしておけば問題は無い」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!何とお礼を言っていいのやら」
「いや礼には及ばないさ。俺達は冒険者だ。困っている人を助けるのは当たり前の事だ」
「そうですね!」
「なんとお優しい方達なのでしょうか…。お嬢ちゃん。さっきは奴隷だと酷い態度を取って悪かったね。すまなかった許しておくれ」
奴隷嫌いだった商人が頭を下げて奴隷のメダリアに謝罪した。
そんな商人の姿に慌ててメダリアは、
「あ、頭を上げて下さい!別に気にしてないですし!それに私は、ご主人様の奴隷じゃなくてご主人様の家族ですから!ねっご主人様!」
「ああ、そうだな」
メダリアは無邪気な笑顔を浮かべ、アレンはメダリアの言葉に深く頷いた。
「ふふっ。素晴らしい絆ですね。助けて貰ったお礼にもし、いつかお二人がお困りの時には力になりますよ」
「そうかそれは助かる」
「ありがとうございます!」
「いえいえ、ホーが回復するまでお茶にしましょうか」
そんな商人の提案にアレンとメダリアは賛成し、ゆったりとしたひと時を過ごしてから馬車で帰路につくのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
さて、今回出てきた謎のシルクハットの冒険者は誰なのか、魔障石などの謎はいつ解明されるんでしょうね?
もしよろしければブックマークやいいね、感想などして頂ければ泣いて喜びます!!
ステータス
アレン=ジース 性別 男 種族 人類種 Lv16→20
【才能】無し 職業【魔物使い】
体力5400→6000 攻撃力210→240
守備力210→250 魔法攻撃力150→180
魔法防御力160→180 速さ120→140
武器 鉄の剣 盾
防具 皮の鎧
メダリア=ファーム 性別 女 種族 獣人Lv13→16
【才能】??? 職業【奴隷】
体力4100→4600 攻撃力160→200
守備力165→190 魔法攻撃力30→40
魔法防御力110→150 速さ230→280
武器 鉄の短剣
防具 皮の鎧
スキル
同化時【白の舞】