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魔物使いで奴隷使い  作者: しおだれはみさーもん
第一章
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第七話【師匠】

今回のお話はメダリアとアレンがアレンの師匠に会いに行くお話です。

ガドラドとの戦闘から一週間が経過し、体力が回復した頃、アレンとメダリアは、とある人物に会うためにモンスター研究所を訪れていた。


その人物は─


コンコン。

扉をノックする音が室内に響く。


すると、中から女性の声が聞こえた。


「入りたまえ」


扉の向こう側にいるのが誰なのか気付いた声の主は、入室を許可する。


ガチャリ……

アレン達が扉を開け中に入るとそこには、白衣を着た緑髪の死んだ魚の目をした若い女性がいた。


彼女は、部屋の中央に置かれた椅子に座りながら本を読んでいたようで、本をパタンと閉じると机の上に置き、二人を見ると口を開いた。


「やあ、アレン久しぶりだね。んで君のとなりにいるのが例の子か」


そう言うとアレンの隣にいたメダリアを見つめる。


彼女の名前は、ミラ=アリア。

このモンスター研究所の所長で、魔物使いの第一人者であり、アレンの師匠でもある。


「お久しぶりです。師匠」


「こ、こんにちは…」


そんな彼女にメダリアは、アレンの後ろに隠れながらもペコリとお辞儀をする。


「ふふっ。こんにちは。可愛らしい子だね」


それを見たミラはクスッと笑うと優しく微笑みかけた。


「さて、早速だが例の件について聞かせてもらおうか」


アレンは、ガトラド戦時のメダリアがガルーフのガルちゃんと同化した時の事についてミラに説明をした。


「ふむ…。メダリア、君はガルちゃんとやらと同化した時どんな感じだった?何でもいいから教えてくれないかい?」


ミラに問われたメダリアは、少しの間考え込むと、ゆっくりと話し出す。


その時の事を思い出しているのだろう。


「えと、あの時、私の夢が決まった時私はガルちゃんと心?精神?なんて説明したらいいのか分からないんですけどそれが繋がった感じがして、そうしたら力が湧いてきて私の身体がガルちゃんみたいな見た目になっていました」


「なるほど…」


メダリアの話を聞いてミラは難しい表情を浮かべる。


「師匠何か分かりましたか?」


その様子を見てアレンは質問を投げかける。


すると、ミラは腕を組みながら答え始めた。


「まず結論からだがメダリア。君の才能はおそらく共鳴だろう」


「共鳴…ですか?」


ミラ曰く、共鳴とは魔物使いがテイムしているモンスターの精神と主の精神をリンクさせ、最大限に力を引き出せるようになるスキルであるとのこと。


それは、魔物使いにとって非常に強力なスキルであるが同時にリスクもあるらしく、共鳴を自分の精神が安定していない時に使用するとテイムしているモンスターの精神に蝕まれてしまう恐れがあるのだという。


「スキルが才能になるなんて聞いたことが無い。ましてや魔物使いではない者が共鳴スキルを使えるとは…」


そう言ってミラは、不思議そうな顔をしながら首を傾げる。


魔物使い自体の人数も極小数という事もあるが、そもそも共鳴というのは非常にレアな魔物使い専用スキルなのだ。


「一応私も共鳴スキルは持ってはいるが、私はモンスターとの同化に成功した事はない。あくまでモンスターを強化するだけだった」


「多分だが、私の共鳴とメダリアの共鳴は、別物と考えていいだろう。ああ…実に興味深い」


そう呟くと、うっとりとした表情でメダリアを見つめる。


「強大な強さを持ったモンスターと同化できるなら、どこまでメダリアが耐えられるのか。共鳴で強化されるモンスターの強さはどれくらいなんだ?見た目はどれくらい変化するのか。他にも気になる事がある。ああ…試したい…いいだろうメダリア。ちょっとだけだからさぁ!」


「え!?」


ミラの呼吸がはぁはぁと荒くなり目に生気が宿ってキラキラと輝いている。

彼女には、知的好奇心が高まると興奮する癖があった。


その様子にアレンはため息をつくと呆れたように言った。


「師匠、うちのメダリアに変な気を起こさないでください」


そう言うとアレンはぶるぶる震えるメダリアを自分の後ろに隠す。


「ちょっとだけじゃないかケチだなぁ…」


そんなアレンの様子を見てミラは凄く残念そうに肩を落とした。


「実験出来ないのは実に残念だが、話を戻そうか」


コホンと咳払いを一つすると再び真剣な表情に戻る。


「メダリアの同化能力についてはこちらで調べておこう。何か分かるかもしれないからね」


「ありがとうございます師匠」


アレンは、頭を下げて礼を言う。


「あ、そうだ師匠。実はもう一つ気になる事がありましてアル姉から聞いたんですけどメダリアの背中に変な形のアザがあるらしいんですけど」


アレンは、出発前にアルトリアから以前メダリアと風呂に入った時に発見したアザの事を、アルトリアが気になるからと教えて貰っていた。


「ほう?変な形のアザか。見せてもらってもいいかい?」


「ご、ご主人様…」


「すまないメダリア。師匠に見せてやってくれないか?


「うぅ〜。分かりました。ご主人様がそういうなら…」


メダリアは先程の事があり、警戒していたがしぶしぶ了解し服をめくり背中をミラに見せる。


メダリアの小さな背中の真ん中に小さな四角形の中に、三角形が二つ重なり合っている奇妙なアザがそこにあった。


「………ッ!」


一瞬、ほんの一瞬だがミラは、驚いた表情を見せた。


「このアザ、師匠何か知っていますか?」


「……いやすまない。私にも分からないな」


「そうですか。もういいぞメダリアありがとな」


アレンはメダリアの頭を撫でながら礼を言った。すると、少し不満げだったメダリアの表情が明るくなり嬉しそうだ。


「ところでアレン、君の方はどうだい?あれからレベルが上がったかい?」


「あ〜レベリングサボっててあんまり上がってないですね…」


アレンのレベルは現在十四に到達していた。


ちなみにだがこの世界ではレベルの上限は存在しないとされている。

というのも、未だに誰も上限まで達したことがないという理由もある。

現在の世界の最高レベルは九百六十八レベルだ。


「まあ、君のレベルが上がればテイム出来るモンスターも増えていく。そうすれば君だけが強くなるだけじゃなくてメダリアも同時に強くなる。…守りたいものがあるなら分かっているね?アレン」


「はい」


「よし。それならばよろしい。メダリアも強くなってご主人様を支えるんだよ」


「は、はい!」


「うん。いい返事だ」


アレンとメダリアの返事を聞くとミラは満足気に微笑んだ。


「さてと、私は研究に戻ろうかね」


椅子から立ち上がると机に置いてあった本を手に取り、部屋を出ていこうとする。


「また何か分かったら連絡してください師匠」


「了解だ」


アレンの言葉にミラは片手を上げて答えるとそのまま扉の向こうへと消えていった。


「ふぅ……」


メダリアは緊張の糸が切れたのか大きく息を吐いた。


「大丈夫か?」


「あっ平気です。ご主人様のお師匠様って事もあって緊張しちゃってました」


「ははっ。師匠はいつもあんな感じだから慣れるまで大変だろうけど、悪い人じゃないしすぐ仲良くなれるよきっと」


「そ、そうなんですか?」


「うん」


「わ、分かりました。頑張ってみます」


「おう。さて、俺たちも帰るか」


「はい!帰りましょうご主人様」


こうして二人は研究所を後にした。






───────────────────


二人が研究所を去った後、ミラはとある人物と連絡を取り合っていた。


「はい、───はいそうです。───例の───そうですかやはり…この国は。───はい。しかし、そうなれば貴方様は───…分かりました。及ばずながらその時は私を。─────はい。よろしくお願いします。こちらも準備を───はい。それでは失礼します。ご武運を」


「……さて、上手くいくといいが、私の方も動いていかないとな」


連絡を取り終えたミラは、気だるげそうに研究所からどこかに向かって出かけていった。


今、一つの大きな歯車が少しずつ音を立てて回り始めるのであった。






最後まで読んでくれてありがとうございます! メダリアの能力と師匠ミラの反応気になりますね。

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