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第13章 ② 触れられない心

第13章 ② 触れられない心


「よろしい。じゃあそれを踏まえて私の考えだけど、とりあえず周辺から攻めない?周りから情報を集めて、そんで本人直撃!って感じは?」


ようは外堀を埋めて、真田丸もなくなったところで、本丸を攻めようってことらしい。


しかし本人への直撃はいかんせん不自然なくだりになるとしか思えない。


どう頑張って捻り出しても、新聞配達のアルバイト仲間になるくらいしか案が浮かばない。


「俺はいいと思うぞ。周辺情報の聞き込みは大切だ。もしかしたら友人関係も探れればそいつ経由で接触できるかもだしな。」


驚いた。マルの考えがズバリな答えな気がする。


そんな考えが思いつくマルに対して、思いつかなかった自分のIQは猫以下か‥悔しい。


「え!マル君もそう思ってたの!なんだ同じじゃん!」


ハイタッチして同調する彼らについていけてない自分。無念だ、自分。ドンマイ、自分。


「えっと。ちなみにその周辺情報ってどうやって調べるの?まさか本当に探偵みたいに街で聞き込みとかするのか?」


一応会議参加者としての発言をしてみる。悔しいので。


「そりゃそうでしょ。それに街には噂好きなマダム達の宝庫があるでしょ!接骨院に整形外科。美容室と公民館ね!それとファミレスもあるわね。他に行っておきたい場所ある?」


「それと学校はマストだな。ちなみに同級生の名簿と写真は押さえてあるから、下校のタイミングで知り合いそうな同級生を片っ端から当たるのはどうだ?その名も「数撃ちゃ当たるぜ!お友達探し大作戦!」だ!」


それは素晴らしい。しかしどうやってこの頭数で全員当たるのだろう。おそらく真面目にやるなら多重影分身を必要とする任務だ。さぞかしチャクラ消費が半端ないだろうね。


「いいわね!さすが!その二つを実行するとしたら、両作戦の統合作戦名を考えないとね‥ええっと、「但馬の陣-Operation Venus Dawn」ってのはどう?和洋折衷な感じが良いでしょ?」


今知ったけど、あそこらへんの地名は但馬なのか?


詳しくはわからないがいいだろう。昔の地名を知ってなくても作戦には支障はない。

そのあとに続くのはいかにもありそう。「女神の夜明け作戦」ってそれっぽい。

このネーミングには実はヒカルは重度オタクではないのかと勘繰らざるを得ない。


そして和洋折衷である必要性はなかったのは断言できる。


「良いんじゃないか。とりあえず作戦名はなんでもいいけど、また分かれて調査するのか?」


「何でもはよくないわよ。こう言うのは雰囲気って大切なの。わかる?国の明日を背負って戦うのよ!私達は!国を憂う若者同士!未来を作るの!」


ベットの上で舞い踊るヒカル。どうやらヒカルの舞台演劇スイッチを誰かが押したらしい。誰か彼女のスイッチの場所教えてください。


とりあえずオフにしてくれないと話が進まない。


「まあ、無難にカケルと俺が学校周辺で、ヒカルがその他の情報収集ってのがベストなんじゃないか?」


ベットから降りて来たマルは自分の太腿に座る。


「どうしてだ?ヒカルがそんなに動き回る仕事を率先してやりたがるとは思えないぞ。」


ベットで踊るヒカルを他所に、マルに小声で話す。


「ヒカルはタクシー使えるが、俺らは金無し。俺らが歩きで市内を周る気か?そんなのいくら時間あっても無理だろ。それに人をのせるのは任せておけ。上手くやる。」


マルがニヤリと笑うと、踊るヒカルに舞台演劇風に話しかける。


「おお!何と美しく気高気いジャンヌ!我らを導いてくださるのですね!」


そこに案の定乗っかってくる。


「おおなんと、小さな漆黒の戦士!貴方が私と共に戦ってくださるのですね!」


「ええもちろんです!しかしジャンヌ!我らには馬がございません。どうかジャンヌのお力で敵を索敵しては頂けないか?我らは先の戦いで馬もやられてしまった。残るはジャンヌ!貴方の愛馬だけなのです!」


「なんと言うことか!敵はそこまで狡猾だったのですね!いいでしょう!私自らが敵陣に赴き、敵の様子を見聞きして参りますわ!」


「有り難きお言葉!では早速!」


「ええ!行きましょう!オルレアンへ!」


とりあえず、一幕終わったらしいので拍手し、彼らを現実へと引き戻す。


「ハイ、じゃあヒカルは学校以外の場所で。マルと自分は学校周辺やるから。」


「え?まぁ、いいか。じゃあコードネームつけよっか。」


なんでじゃあ、の後にコードネームをつけることになるのかわからない。


「とりあえず、私はジャンヌで、マル君はミカエル。カケルは‥庶民で。」


これじゃコードネームって言うよりユーザーネームだな。

マルがミカエルならサマエルとかの方がマシだった。


なのに庶民って酷くない?庶民って!


せめてそこは英語とかフランス語とかお洒落な感じにするとか工夫があってもよかった気がする。


「見た目は子供!頭脳は大人!」の世界ならジンとかバーボンってのもあるくらいだ。


付けるくらいならそれくらいのはネーミングセンスを見せて欲しい。そんな不満が表情には現れていたらしく、ヒカルに指摘される。


「何その不満です!みたいな顔。なんならもっといい名前が思いついたら変えてあげてもいいよ。あ!庶民じゃなくて平民でもいいよ!」


ヒカルのその顔は悪い人の笑みを浮かべていた。その年でその顔が出来るのは、天才子役くらいだろう。


「ヒカル流石にそれは可哀想だぜ!ショーミーかヘイミーにしてあげようぜ!Boom!Boom!(笑)」


ラップ調に小馬鹿にするマルの発言で、何故か自分の脳内にラップの憑依魔が現れ、脳内で勝手にクラブイベントが開催されることとなる。(何故かは知らない。脳内にミキサーとターンテーブルとアンプその他、もろもろがあるからだ。そこに山があったら登るの方程式だ。)


クラブ台にはDJと憑依系ラッパーが共演中だ。DJのスクラッチ音と共にキャップの鍔を横にし、憑依系改め金のチェーンを首から下げる系ラッパーが会場を盛り上げている。


「Yow! Ye! Show Me! Hey Me! Stand By Me!

俺らが作るぜ!Brand New World!

世界をチェンジだ!Change The World! Ye!」


ラップ口調で捲し上げ、リズムを刻んでる鬱陶しい光景を頭の中からかき消す。そのラッパーの衝動が移ったのか頭の中で浮かんだ言葉を喋ってしまう。


「ならスイミーで。」


一言で言うなれば、「完全にやってしまった‥」自分のセンスは「Me」繋がりで完全に韻をふむラッパーに支配されていたんだよう思える。


もはや自分の人格ではないと否定したい。


「え?レオ・レオニ‥懐かしい。」

「Oh!」


凄まじい引き潮の様に二人がスゥーと引いていくのがわかる。

しばらくの無言が続いた後、何事もなかったかの様にマルが話す。


「じゃあ、ジャンヌは街の探索。俺らは学校調査するから!」


「オッケー!ミカエルと‥ショーミーは学校調査よろしく!」


ヒカルの中ではスイミー採用より、ショーミーの方が採用されたらしい。


もういいよ普通に呼んでくれ。いやいっそのこと、庶民でも、平民でも、凡人でも好きに呼んでくれ!


「んじゃ、俺らは行ってくるわ!そっちはよろしくな!」


そう言ってマルは霊体化して自分の肩に乗る。


「ハイハーイ!うちは10時くらいからは調査するね!」


ヒカルは陽気に手を振り自分達を部屋から追い出す。てか10時って。あと2時間もここでのんびりする気か!さすがお嬢様だ。


と言いたいところだが、逆らえる訳もないので、さっさと庶民、平民、凡人の自分は足で情報を集めることとする。部屋を後にしてエレベーターホールでボタンを押してエレベーターを待つ。


「とりあえず豊富士中学校に行くか!」


肩に乗るマルがテレパシーで話してくる。

自分も狂人として通報されることのないように、テレパシーで話す。


「了解。荷物は?」


「とりあえずリュックだけでいい。部活やってるといいんだがな。生徒がいなきゃ話になんないからな。」


「まあなぁ。日曜日に部活って運動部系くらいしかやってないしな。」


「そうだよな。まあ、作戦としては、俺が霊体化して校内をみて周るから、その間は、カケ‥ショーミーは学校周辺を聞き込みしてくれ。」


「いいよ。ヒカルがいない時は普通に名前で。」


「バカ!普段から使ってないと、いざって時にボロが出るだろ?ほら、ショーミー、エレベーター来たぞ。」


エレベーターに入り、1Fのボタンを押す。


「でさ、写真とかないのにどうやって目星付けるわけ?同級生か、クラスメイトか、なんてわからないぞ?最悪、ジャージの色とかが学年ごとに違うなら、同級生はわかるけど。」


チーン。とエレベーターの到着音がなり1Fに到着するとロビーを通って正面玄関から外に出る。案の定、道は全くわからないため、スマホの地図アプリを開き、ルート検索する。


どうやら学校までは歩いて3時間程らしい。いや無理だ。その為公共交通機関を頼ることとする。


調べると、バスがあるらしい。バス停まで5分、バス15分、近くの停留所から15分徒歩で到着とある。まあ、それくらいなら許容範囲だろう。


「ああ、大丈夫だろ。確かジャージの色は名前の所が違うらしいぞ。一年生は青。二年生は赤色。三年生は黄色。らしい。まあ、他の学年でも住所近めなら聞いておいてくれよ?」


「住所近いとかわかるかよ!シックスセンスでも使えってか?」


「まあ霊感はあるだろうから、セブンスセンス辺りを使ってくれ。」

「いやその冗談は全く笑えん。てか、バスがやばい!」


スマホを確認して慌ててバス停までは駆け足で行くと、バスにはタイミングよく乗り込む。



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