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9、魔物狩り2

ブックマーク、評価付けてくださって

有難うございます!(*'∀'人)

  初心者の狩場だという森に来て1時間は経ち、魔物との遭遇は4回ほど。

  私は、あまりの非効率さに私は我慢ならなくなり、魔法で魔物を索敵出来ないかと考えていた。



(索敵魔法作りか……作れたら便利よね?魔法の遠隔操作は訓練してきたもの、きっと出来るはずよ!)



  まず、風魔法で索敵をしてみようと試みた。

  空気は大抵の所にあるし、蝙蝠の音波の跳ね返りを頼りに周囲を調べるやり方なら簡単だと思ったのだ。


  風魔法を音波レベルで扱い自分の所から全方位に向けて飛ばすーー



「うあわっ」


「ど、どうしました?大丈夫ですか?」


「あ、いえ。大丈夫です……」



  風魔法ではね返ってきたのは、ほとんどが周囲の木々。あまりに木々が覆い茂っているので、音波がはね返り過ぎ軽く混乱してしまった。


  障害物の少ない所では少しは使えそうだが、木々の多い森ではとても向いている索敵方法とは言えなかった。



  次に試したのは、火魔法での索敵だ。

  火をおこす使い方ではなく、生き物の熱を探す方法として使えないかと考えたのだ。


  今度は、木々は邪魔にならないはずと思いながら火魔法で熱源を探るため周囲に魔法を飛ばす。



(今度はしっかりと木と生き物が区別つくわね!あっ!角兎があっちに居たわ!)



  私は角兎の居る場所を特定してそちらへ走り出した。



「お嬢様足元にっ!」


「えっ?」



  ビエラが注意を飛ばした時には既に時遅く、私はグニッとしたものを踏んで、足を滑らせこけた。



「あたた…な、に?」



  私が何かを踏んだと思しき所を振り返ると、スライムが溶けていた。

  どうやら私は足元に居たスライムに気付かず踏みつけ倒していたようである。



(熱源探知には……え、スライムは木と同じ?体温らしい体温が無い?)



  魔物には熱をもたないものも居るようだ。これでは、動物は探せても魔物には使えそうにない。

  下手に使って魔物の発見が遅れればむしろ危険が増すくらいだ。



(まさか夢で得た知識がことごとく通じないなんて……。もういっそ純粋な魔力で探してみようかしら?自分の魔力と魔物の魔力は多分違うもの)



  私は、自分の魔力を取り出し薄く全域に向けて広げていった。

  薄くと言っても平面ではない、濃度を薄めて霧のように空間を覆っていくのだ。



(…………わかる。これなら……スライムがあっちとあそこ。角兎は……1匹は近いわね。あとは向こうにも……)



  少し薄めた魔力を広げただけでもスライムや角兎の位置が正確に把握することが出来た。

  私は、それを頼りに近いものからどんどんと倒していく。



「お嬢様あそこにーー」


「うん。角兎ね」


「お嬢様右の方にーー」


「スライムが2匹いるわね」



  ビエラの索敵も近づけば確実に気付くくらい精度が良く、私が魔力索敵を使わないと気付かない距離でも先に反応していた。



「ビエラすごいのね。そんな早く魔物の居る場所がわかるなんて」


「慣れです。魔物の気配を感じ取ってそちらに目を凝らしているだけです。お嬢様こそすごいですよ。この短い時間に索敵も魔物の種類も把握出来ているではありませんか」


「ま、まぁ…………なれ?」



  魔力を使って索敵していることはそれとなく誤魔化して、魔物探しをさらに2時間狩りをしてから私達は森を出た。


  ビエラが呼び笛を吹いて馬を呼び、二人で馬に跨り来た時のように帰っていく。



「あの森、角兎とスライムしか居ないのですか?他のものに全然遭遇しませんでした」


「そうですよ。魔力濃度が低いため角兎とスライムくらいしか出ないのだろうというのが魔塔の魔術師達の見解のようです」


「なるほど、ではここより魔力濃度が高いところだと角兎、スライムに加えて他の魔物が出るのですね?」


「そうです。角兎なんかは魔力濃度が低くても生きられますし、草食なので人間の生活圏で生活出来ます。貴族ではペットとして角兎を飼う者も居ますよ」


「ふぅん……」



  角兎もスライムも好戦的な魔物ではなかった。さらにペットとして飼われることもあると聞いては、少し狩がしづらい気もするが……。



「角兎の肉は柔らかくて鶏より旨みもギュッと詰まってしっとりしていて美味しいのですよ。煮込んでも柔らかいので角兎のシチューは定番なのです」


「だからビエラは、角兎の死体は持ってきたのですか?」



  私がザクザクとスライム角兎狩りをする後ろでビエラはせっせと角兎を拾い、血抜きをしていた。

  今、ビエラの腰には血抜き済の角兎が紐ベルトに巻き付けられて腰蓑のようになっている。



「はい。屋敷の料理長に持って行って角兎肉たっぷりのシチューでも今夜は作って貰えないかと」



  角兎をペットにというのは貴族の一部の道楽なのだろう。恐らく、一般的には角兎は食用の生き物のようだ。

  牛や豚をペットとして趣味で飼う人もいるという程度の位置づけなのだなと認識を改めて私は馬に揺られ屋敷に帰った。

続きが読みたい、応援したいと

思っていただけましたら

ブックマーク、評価★★★★★のほど

よろしくお願いします(´∀`*)

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