エリカ・グレッド
また、読んで頂きありがとうございます。
「ああ~、疲れた。」
トウカは初日の授業を終え逃げるように共同生活を行う屋敷の自室に戻っていたのである。
「それにしてもあの盛り上がりは怖かった……。」
そう言うと今日の出来事を思い出していた。
そう、トウカはあの後少女達に質問攻めにあっていた。
「トウカ様はお好きな物はなんですか?」
「トウカ様はどちらの出身ですの?」
「トウカ様はお強いと伺いしましたがどこでまなびましたの?」
「トウカ様は好きな男性のタイプはありますか?または女性同士の恋はアリだと思いますか?」
などである。
(なかなか確信をつく質問もあるな。ていうか最後に出た質問の奴はだれだ!?)
トウカは冷や汗をかきながら丁寧に質問に答えていたのである。
さらに質問をしようと詰め寄ってくる少女達にトウカは後ずさりした瞬間、
ガラッ
教室の扉が開くとそこには20代前半位の女性がたっていた。
「はいはい、初めまして私は貴女達の担任となりますマリカ・サリートです。これから宜しくね♪
じゃあ早速、授業をはじめるから席について下さい。」
見た目がクールそうな女教師はその容姿とは逆に話易そうな女性だった。
少女達は席につくと
「それじゃ、改めて授業を始めるわよ。
今日から皆さんにはここで沢山の事を学んで頂きます。政治学、経済学、薬学、魔法学、もしもの時の護身術やこれから必要になる技術も学んで頂く事になります。
この中には必要なさそうな人も居るけど……。」
と言うとトウカの方をチラッと見ていたのだ。
「まあ、固い話は抜きにして花嫁修行だと思ってね♥」
そう言うと最初の授業で全員の自己紹介が行われた。
授業が終わると一人の少女がトウカにおずおずと声を掛けてきた。
綺麗な銀髪の少女は顔を真っ赤にしながら
「……はじめまして。私はグレッド国第一王女のエリカ・グレッドと言います…。
トウカ様、いきなりですみませんが私の国に使えませんか?」
エリカは今にも消えそうな声でそう言ってきたのであった。
「確かにいきなりですね、すみませんエリカ・グレッド様私はただいまクリスタ王国のシェリー様に使えている身、他の国に使える気は今のところ無いのです。」
そうトウカが答えるとエリカの後ろで可愛い顔をまるで悪鬼のようにしていたシェリーはようやく落ち着きを取り戻したようだった。
「そうですか、残念です。それでは私と友達になって頂けますか?」
「それくらいなら大丈夫ですよ。エリカ様。」
「…エリカ。」
「えっ?」
「…私のことはエリカって呼んでください。」
「解りました”エリカ”それじゃあ私の事はトウカと呼んでください。」
「はいトウカお姉様。」
どうやらエリカの中ではトウカの事はお姉様でけっていらしい。
~エリカ・グレッド14歳~
エリカはクリスタ女学院に来たくはなかった。人1番人見知りで他の王女達と上手くやれる自信が無かったのだった。教室に入るとカルラと言う少女が話しかけてきた。
どうやら彼女は他の国の王女さまだった。彼女の紹介で他の2人とも王女同士話す事ができた。彼女等は魅力的で明るくエリカはそんな彼女達を羨ましく見ていたのだった。
ガラッ
扉が開く音がして振り返るとそこには栗色の髪をなびかせた少女が入ってきたのである。
少女は右手にクリスタの証が入ったブレスレットを付けていた。
するとカルラが少女に話かけていた。
(カルラ様すごいな~私とは違うな…。)
カルラに続きリーシャ、アンジュも少女に挨拶していった。
(私も行かないと…。)
そうしてエリカはシェリーに勇気をだし挨拶をしたのであった。
(ふぁ、シェリー様はなんか少し同じ臭いがするかも。)
シェリー、カルラ、アンジュ、リーシャ、エリカはその後他愛ない話をして過ごすと護衛の話をしたのであった。
「それじゃ~、シェリー様のもう一人の方は遅れてくるの~?」
リーシャはシェリーにそうきくと
(やだな…怖いひとだったらどうしよう。)
「ええ、もうそろそろくる頃だと思うけど、、。」
そうシェリーが言うとアンジュが
「ねえねえ、その方ってどんなかたですの?」
エリカはそれを聞きたかった
「……名前は何て言うの?」
そう名前を知ればここに護衛に来るほどだから聞いたことがあるだろう。
「トウカ・イザナですよ。」
「「「「えっ?」」」」
エリカはその名前を聞いて聞き間違いではないかと耳を疑った。
トウカ・イザナと言えばクリスタ王国に急に現れ内政や国民の暮らしを変えた少女だった。彼女はその手腕だけではなく対抗した武装した貴族を潰しさらにそれを一人で行い生きた伝説となっていた。クリスタの策士、クリスタ最強の騎士など各国に知れ渡っていた。
ガラッ。
少女達が声をそろえったその瞬間、教室の扉が開いた。
其処には東国にある民族衣装(着物)のような袖が長い衣装を着た絶世の美女が立っていた。
エリカはその美女を見た瞬間、雷が落ちたような衝撃が走ったのである。
「初めまして、私はトウカ・イザナと申します。
シェリー様の護衛としてクリスタ女学院に入学させて頂きました。
こう言う場は初めてですがこれから宜しくお願いします。」
トウカは聞く人を引き付けるその声色でそう言った。
エリカは身体の内側から熱い物が込み上げられる感覚が襲ってきた。顔が熱くなり心臓のがまるで壊れたかのようにその鼓動が脈打っていた。
「「「「きゃーーーっ!!!」」」」」
一瞬の静寂の後、教室中から黄色い声があがったのだった。
「トウカ・イザナってあの!?」
「クリスタ最強の騎士って言われてる!?」
「なんて綺麗なんでしょう!」
「美姫トウカ!?」
「クリスタの策士!?」
教室の中はトウカに興味がある少女達の質問のばになっていた。
それは担任のマリカが教室に入ってくるまで続いたのである。
授業中エリカの目はトウカから離れることがなかった。
エリカは自分の胸の鼓動を押さえられず授業が終わると自分でも驚く大胆な行動をとっていた。
ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!
心臓が破裂しそうだった。
エリカは真っ先にトウカの前にいくと声をかけていたのであった。
残念ながらトウカはエリカの誘いを断られてしまった。
(ああ、トウカお姉様…、私を”エリカ”って…。)
(でも、お姉様ならもしかしたらアノコを助けてくれるかも。)
エリカはトウカなら出来ると何故か確信を持っていた。
トウカは全てにの授業が終わると共同生活を送る屋敷に先に戻ってしまった。
エリカはその後トウカに追いかけるように屋敷に戻ったのであった。
今回はエリカ・グレッド視点を書いてみました。
内気な少女の筈が大胆な行動をさせて次はトウカがエリカの力を借りて……するつもりです。シェリーも登場予定です。
次も読んで頂けたら幸いです。




