61話 憂鬱の花金
「終わったー!いやー今週は捗ったなぁ。」
何やら順調すぎたからか飲みに誘われたが、酒弱いから行きたくないんだよなあ。
それにダンジョンも楽しいし。
人間趣味を持たないと抑圧が強くなりすぎて感情が薄くなるし病んじゃうよね。
「俺って結構やばかったんじゃ無いだろうか」
まあ順調だとはいっても昔のように人が余ってて力技でどうにかなる様なわがままを通す人が多かった伸び伸びとした労働環境にはなく。
10人でやってた仕事を3人でこなすような繊細でハードな現代労働環境では病むのは仕方ない。
それに人より仕事が出来たとしても給与が上がるわけでもなく、この仕事の出来を平均ベースにされる為、来季のノルマが増え当たり前のように追加追加で仕事を押し付けられる。
忙殺されて活躍してもミスすると責任を取らされルールが増えるため作業コストも増えてしまう。
だからといって人を入れてくれるわけもなく貴方のミスで作業コストが増えたと暗黙の怒りの中残業をさせられて馬鹿を見るのは目に見える。
またどこの会社でも省力化を目指している為、10人で行なっていた仕事を人手不足を理由に2人にされかねないのでほどほどにしておかないと心身ともにボロボロにされかねない。
病みやすい社会にはウンザリだよ。
結局これって労働者派遣制度により若者の年収が減り結婚どころでは無くなった世代が出来たせいで少子高齢化が進んだせいなんだよね。
派遣され働く人には罪は無いが、大企業や中小企業が関連会社を作り派遣で人を雇ってアイダの利益まで得る姿には納得できない。
そのせいで労働人口が減って困ってるのに安い賃金で人を雇えなくなってきたら現実逃避して移民政策に逃げて劣悪な環境で働かせる。
出稼ぎ外国人は稼ぎのほとんどを故郷に仕送りするので、日本国内でお金の好循環が起きず、高値で物が売れなくなり企業の業績が上がらない。
給与も上がらない。
生活も安定せず更に少子化と悪循環。
色々なものの『若者離れ』と呼ばれるが、お金の好循環を妨げているのは企業であり若者のせいにするなと言いたい。
こういった企業は政治家たちに企業献金を行い、税を上げろ、外国人労働者を受け入れろ、金を使わせろ、と無理難題を吹っかけ、税金を使いキャンペーンや補助金を促す。
その結果、税金負担が増え低賃金労働者が増えこの国の人の給与も上がらず、金は無いがキャンペーンや補助金に釣られて無駄遣いをし質素倹約を強いられる。
企業は己の罪に気付かず責任のたらい回し。
「自分たちで自分たちの首を締めてるのに気付かない。
愚かだよ。このまま行けば50年も経たずしてこの国の人はどんどん減っていき外国人も参政権を得て多国籍国家に変わっていくんだろうな」
利己的な政治家と企業と老人たち、大体は同世代のこの国の人なんだろうけど愚かな世代の為にこの国が消滅するんだから笑えないよ。
米の問題だって噂じゃ卸業者が五次まで入っていたとか、そりゃ間で次々と利益を取っていたら値が上がるわ。
2年前まで10kg3000台だった米をどうやったら9000まで上げれるのか。
2年で何があったのか知りたいよ。
備蓄米だって米の値を下げるために放出したのに落札した会社が流通を滞らせてしまったんじゃ値下がりは起きないよね。
それなのに追加で次々と落札し滞らせる。
どういう事なんだろう?
この方法じゃ絶対に値は下がらない。
この状況を許す担当の大臣も・・・
中抜き構造をどうにかしなければ過去最高の税収が続いていても返済もできず借金は増え続けているんだから、税収を増やすのではなく直接雇用直接労働にし明朗会計にした方がいい。
政治家もこの国は借金地獄の最中なんだから旧文通費を含めると世界一報酬もらってるんだしもっとお金にクリーンな姿をアピールするべきだと思う。
ソーラーパネルとかでも海外産ではなくこの国で開発してこの国で使うようにしなきゃこの国内で金が回らない。
そういえば大臣が変わった途端に独断で一気に備蓄米を安く配布できた政治家がいるとか。
独断出なければ色々と煙に巻かれて何も出来なかったかもしれない。
時代劇の越後屋と代官のやりとりを思い出す。
時代劇ならば、選挙前にメンツ潰しやがって派閥争いの時は覚悟しとけってのが幻聴で聞こえてきそうだ。
既に終わってるとは思うが、この国を救うのはこのような決断力ある政治家なのかもしれないな。
ただまあこの国では、利権団体が絡むと抗議や運動が起き政治家は潰されていくので周囲が支えるか鋼の心を持たないと辛いかもしれない。
そういえばどっかの既得権益と闘った県知事もいじめられてたよなあ。
利権団体の強みは中抜き構造による毎月の収入を使っての高額報酬で人を雇えるところにある。
何もしなくても入る金が無くなるくらいなら、必死でなんでもして潰してやるってのは強いよなあ。
「はぁ・・・今日もダンジョンに篭ろう・・・」




