LEVEL-78 まだ行っていない所
ドルーラでエリアハンまで戻ってからは地上のありとあらゆる場所を回った。当然それには神鳥ミアーラが使われた。しかし、広い世界の中でまだ行っていない所を探すのは至難の技であった。どこも似たような地形が多い為、行っていない所はまだまだ多かった。
だがそこは、ここまで冒険を乗り越えて来た勇者の一行であるから、苦にはしないであろう。岩山に囲まれたその城を見つけるまでに要した期間は3日間だった。
その城の名は竜の女王の城。神鳥ミアーラに乗ってしか行けない場所にあった。神秘的な雰囲気はあったものの、ここまで来て引き返す事など出来るはずがなかった。
竜の女王とはガルドアレフで後に竜王となるフィノーザイの母親であり、失われし伝説の一族である飛竜族の末裔であった。竜の女王は地上の閉ざされた世界において、ひっそりと生きて来た。本来人間とは交わるべきではないのかも知れない。
しかし、朱に交われば赤しと言う事で、ここで巡り会う事になったのも何かの縁であり、運命であった。人間よりも遥か長く生きて来た竜の女王であったが、それは飛竜族にとっては衝撃的な事ではなく、普通の事であった。
たかし達がやって来た時、竜の女王はたかし達をどんな猛者が来たのかと勘違いしていたが、物凄く物腰の柔らかな人間だった事が特に印象的であった。竜の女王は言う。
「人間とは本来ならば手を取り合うべきであったのかも知れません。しかし御互いに距離をとってこうして歩んで来た道のりを否定するつもりは全くありません。人間は人間なりに、飛竜族は飛竜族なりに、ここまで努力して築いて来た物があります。幸か不幸か、それで何の問題もなく、やって来ました。しかし、そのバランスを崩したのが、大魔王マーゾです。マーゾを倒すのに協力は惜しみません。」
「情報が多すぎて、俺頭がパンクしそうなんだけど、とりあえず竜の女王様は俺達の味方何だよな?」
「あぁ、しかしこんな山奥で食事とかどうしてたんだ?」
「ハンティングですよ。人里近くまで降り獣をとらえ分けあっていました。水は城の近くに沢が流れているのでそれで何とかしていました。」
「人と交わるのそこまで嫌でしたか?」
「かつて飛竜族は人間と交わった時期はありました。」
「え?そうなんですか?」
「この見た目ですから、迫害の対象になりました。魔王バラーモスが出現する何千年も前の事です。」
「こんな山奥に追いやったのは俺達人間だったのか?」
「フィノーザイ(息子)を生んだので私の死期も近い様です。」
「手前勝手かもしれないが、まだあなたに死なれては困ります。」
と、たかしは光の玉の話は一切しなかった。




