LEVEL-79 消え行く命、託された想い
たかし達が竜の女王の城を訪れた時、既に女王の命はほとんど終わりに近かった。それでも最後の力を振り絞り勇者の一行にある物を渡した。
「これはライトボール(光の玉)です。大魔王マーゾの闇の衣を剥ぎ取る力を持っています。これを使えるのは心清き者だけです。バラーモスを倒したそなた達ならば恐らくきっとこのライトボール(光の玉)を使いこなし大魔王マーゾを討ち取ってくれるでしょう。さぁ、ガルドアレフにおゆ来なさい。」
たかしは一つだけ質問をした。それが無粋なものであっても構わないと思ってその質問をした。
「何故種族の違う我々に対して助け船を出す様な事を?」
「それは貴方が信頼に値する人間だと思ったからですよ!」
そう言われるとたかしは、「そうですか。分かりました。」と言う他に方法は無かった。女王が消え行く命である事は直ぐに理解する事が出来た。託された想いの重さを考えると胸が苦しくなる。
「さぁ、お行きなさい。」
種族を越えた平和への祈りが込められたその女王のメッセージを受け取ったたかし達は再び戦いの地ガルドアレフへと戻る事になった。このライトボール(光の玉)があれば恐らく大魔王マーゾも無敵ではなくなる。しかし、闇の衣を剥ぎ取った所で、その後の戦いが有利になるとは限らないが、それでも勝てる可能性は充分に広がる。ここまで来れば彼我の差は最早問題ではない。揃えるべきものは揃えたし、アイテムも不足ない。やれる事はやったのだからもう後はワンチャン勝負に全てをかけるしかない。
大魔王マーゾには負けられない理由等無いのかもしれないが、たかし達は違う。全世界の人々と関わってきた全ての人々、そして光の玉を託してくれた竜の女王の希望と願いがその双肩にかかっている。そう、負けられないのである。世界の平和を取り戻す事だけを考えてやって来たたかし達の冒険も、いよいよ最終局面を迎え様としていた。
「なぁ、あんた女王なんだろ?」
「フィノーザイ(息子)と新人類に次の時代の事は任せます。」
「なんだ、まだ話せる元気あるんじゃねーか。」
「飛竜族の生命力を舐めてはいけませんよ?」
「そのわれかけた玉子にあんたの息子がいるのか?」
「勘違いしないで下さい。フィノーザイの為に大魔王マーゾを倒してもらいたいのです。人間の事は今も嫌いです。」
「そりゃそうだよな。全人類に代わってわびる。俺達は間違っていた。」
「貴方なら、きっと大魔王マーゾを倒してくれるし、フィノーザイとも上手くやってくれるでしょう。だから、後は任せたわ。」




