↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/445

レポート79 新章開幕!

 タイトル、あらすじ、変えました。


 だいぶん、ケレンが入ってます。

 風が淀んでいる。


 川原である。水は濁っており、草は荒れ放題に伸びていた。


 鴨が数羽、水に浮いている。その近くに、魚が潜んでいるようだが、影しか見えない。その大きな黒い影は、不気味にうねっている。なにやら、魔物の手先のように見えた。


「ユメオ、見て、あれを」


 フラ隊員が、陽の傾いた西の空を指差した。1羽の白鷺しろさぎが飛んでいる。が、どうも普通の鷺じゃない。口になにかを銜え、首を狂ったように動かしながら羽ばたいていた。


「銜えてるの、なんだと思う?」


 フラの精悍な眉が、不安そうにひそめられた。フラはただの女じゃない。元モンスターで、妖術使いでもある。その彼女の頬が、脅えのせいか蒼白くなっていた。


「なんだろう。魚にしては、大きいようだけど」


「たぶん、子犬よ」


「子犬? 鷺が犬を食うか?」


「モンスターよ、きっと。近づいてきたら、マシンガンで撃つわ」


 ぼくはチラッと、後ろのペンペン隊員を見た。銃砲店で買い揃えた銃器は、ペンペンのお腹の、究極のモフモフの中に収めてある。


 ペンペンの肩では、白猫の「ひるね」が、眠そうな目をして坐っていた。


「ニャアニャア」


 ペンペンのモフモフから、白猫の仔たちの啼く声が聞こえた。あの中で、銃が暴発しなければよいが。


「ユメオ隊長」


 人面隊員が、低い声で言った。人面隊員は、首から下が人間で、首から上が錦鯉の、バイオ実験で生まれた生物である。しかしぼくたちの誰よりも、知識や経験が豊富なようだった。その頼りにしている人面隊員が、なにかを警戒しているように声を潜めるのだった。


「今日はこれ以上進まないほうがいい。川下のほうから、魔物の匂いがしてくる」


「本当か?」


「ああ。暗くなったら危ない。一晩中火を焚いて、交代で眠ることにしよう」


「火か。アドバイ隊員、出せるか?」


「もちろんじゃ。久しぶりに、肉虫団子も出してやろう」


 アドバイ爺ーーアドバイ隊員は、不思議な術を使える仙人である。食料でも水でも火でも、手品師が空中から鳩を出すように出してくれる。旅のパーティーには、欠かせない存在だ。


 ぼくたちは、川原で焚き火をし、夕食をとった。


「わたしとアドバイ隊員が、先に寝よう。0時になったら交代だ」


 人面隊員がテキパキと決め、アドバイ隊員とともにゴロリと横になった。


「ああやって寝てくれると、なんだか安心してきたわ。わたしちょっと、ペンペンのために魚を獲ってみる」


 フラ隊員がそう言って、川を覗き込んだ。暗くなったので見づらいが、なにかが蠢いているのはわかる。


「やめときな。食べられる魚かどうかわからない。ペンペンもひるねも、たっぶり肉虫団子を食べたしな」


「でもやっぱり、魚を食べたいと思うわ」


 フラはじっと、水面を見つめた。そして、まるで川の水に心を奪われてしまったかのように、いつまでもそうしていた。


「……どうした、フラ?」


 横顔を覗き込んで、ハッとした。フラの両目は、完全に白目になっていた。


「おい、どうした! 人面隊員、アドバイ爺、起きてくれ! フラがおかしい!」


 返事がないので振り向くと、2人とも深いイビキをかいて昏睡していた。


「くそっ! 魔物に化かされたか。おい、不死怨ふしおん! なんとかならんか?」


 パーティーには、目に見えないメンバーの、不死怨がいる。こいつは、人を化かして死に誘い込む力を持っていたが、魔物に対しても同じ力を持つかはわからなかった。


 すると突然、風が巻き起こり、焚き火を一瞬で消した。


「あ……あ……」


 恐怖で全身が硬直したぼくの目の前で、水中から真っ黒な人間が現れ、フラの手を握るとあっという間に川に引きずり込んだ。


 PV4572

 LV45


 レベル45で魔境探検に乗り出したのは、ちと早計だったか……


 次回は、ここに至るまでのストーリー紹介にします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。