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レポート78 ハイスクールライフ、完結!!

 今日バイクで通りかかったビルをたまたま見たら、「ロープ株式会社」と書いてあった。


 看板にはただ一言、「イノシシの仕掛け・金具」。


 街なかで、イノシシの罠を売ってるとは知らなかった。

「先生勝手に辞めんなよ!」


「プロレス部はどうなんのさ! 男子校との試合を組んじまったぞ!」


「アイドルはどうすんのよ! これから宇宙進出しようっていう矢先だったのに!」


 怒号が飛び交った。校長が口を開いても、誰も聞こうとしない。


 これじゃあ収拾がつきそうもないな、と思ったとき、意外にも場を収めたのはアドバイ爺だった。


「愚か者めらが!!」


 額に青筋を立てて一喝した。


「十代にもなって、なにを甘えちょる! いつまで先生を頼るつもりじゃ。オムツがとれたら、一人で生きてくもんじゃバカモン!」


 そして廊下にふわふわと浮くと、


「これで頭を冷やすんじゃ!」


 生徒たちに、パーッと聖水を振りかけた。


「ギャー、ジジイのオシッコだ!」


 ずぶ濡れになった生徒たちが、悲鳴をあげて逃げていく。


 残ったのは、琴美1人だった。


「先生、わたしついてくからね」


「ダメだ」


 ぼくはキッパリと言った。


「お母さんがいないなんて嘘をついて、ホントはいるそうじゃないか。親に心配かけることはするな」


「お母さんなんて要らない。フラ先生と、ペンペンがいればいい」


「フラじゃあ、きみのお母さんにはなれない。琴美自身、昼寝猫がUFOに乗って飛んでったとき、誰も子猫のお母さんの代わりにはなれないって言ってたじゃないか」


「…………」


「ぼくたちは、必ずまたここへ戻ってくる。それまで、唯一の飼育部員として、責任持って猫と鯉の世話をしてくれ。いいな?」


「本当に、ペンペンを連れてっちゃうの?」


「ああ。あの子には、親がいないんだ。フラと引き離したら、きっと病気になってしまう」


「旅に出るのを、もう少し先に伸ばせない? せめて、わたしたちが卒業するまでとか」


「悪いが、ぼくの焦りはマックスになってる。昨日はついに、PVが30まで落ちた。早く王道ファンタジーをやって、PVを増やしたい」


「……わかった。ユメオ先生は、そっちが本業だもんね。わたし、先生たちが生きて還るのを待つよ。そのときは、冒険の話をたくさん聞かせてね」


「もちろん、そうしよう。だって生きて還るのは、王道ファンタジーの肝だからね!」


 琴美とは、握手をして別れた。手に琴美のぬくもりを残したまま、ぼくは思い出の職員トイレに行き、心ゆくまで小便をした。


 それからぼくたちは、全校生徒を前に離任の挨拶をし、美人3人プラス魚顔の4人から、それぞれ大きな花束を受けとった。


 こうして新米教師の4人は、女子校を去った。


「さて、校長からバイオスーツももらったし、これから4人と1匹で夢の百貨店に行って、武器を調達しよう」


「ペンギンはね、1匹って数えないのよ。鳥の仲間だから1羽っていうの。ね、ペンペン?」


「ペンペーン!」


 ペンペンがそう言って、得意げに胸を張ったときだった。


「フニャゴ」


 モフモフから、白猫がヒョコッと顔を出した。


「あっ、おまえはひるね! ダメじゃないか、連れてきちゃあ。学校に返しに行こう」


「ペンペン、ペンペン、ペンペン」


 ペンペンがブルブルと首を振った。ぼくは人面先生改め人面隊員に、通訳を頼んだ。


「この子は友だちだから、連れて行くと言ってる」


「猫の面倒まで見きれないぞ。それに、子猫たちはどうするんだ」


「ニャアニャアニャアニャア」


 子猫たちも、モフモフからヒョコヒョコ顔を出した。


「あちゃー。みんな来ちゃったのかよ」


「ユメオ隊長、ペンペン隊員は、猫の世話は自分がすると言っている」


「勝手なことを……もういいや。こうなったら、こいつらも全部連れて行こう。ただしぼくは、猫の面倒は一切見ないからな」


「それでも飼育部の顧問?」


 モフモフの中から、ニュッと琴美の顔が覗いた。


「わっ、びっくりした。なんでいる?」


 琴美は、満面の笑みを浮かべていた。


「やっぱり来ちゃった。わたしだって冒険したいもん。だからさっき、退学してきたからね」


「退学? そんなこと、お母さんは許したのか?」


「うん! 若いんだから、冒険してきなさいだって。今を逃したら、こんなチャンス、もう二度とないかもしれないし」


「弱ったなあ……どうする、フラ?」


「仕方ないわね。わたしが守ってあげる」


「アドバイ爺は?」


「ふむ。十代の女なんて、オバサンと一緒じゃからな。本人の好きにさせたらよかろう」


「2人がそう言うんならなあ……まあ女性キャラが、フラ1人だけってこともあるしーー」


「先生、ありがとう!」


 琴美がモフモフから出てきて、ぼくに両手をまわして抱きついた。


 ぼくはぞくっとした。と同時に、ある疑惑がむくむくと湧いてきた。


 えへんと咳払いをして、琴美に訊いた。


「えー、念のために確認するけど、きみの名前、不死怨じゃないよね?」


 ぼくを抱いていた身体が、ふっと消えた。


「……む、む」


 なんで怪奇現象が、パーティーにくっついて来るんだよ!


 PV4488

 LV44


 不死怨をオチに使ったの、これで何度目だろう?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 不死怨!まさかのオチですね。(前にも書いたような……) [一言] 不死怨は、パーティーに参加するのでしょうか。 参加するとなると、幽霊部員ならぬ、幽霊パーティーメンバー? お話の続きが気に…
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