レポート6 いざ、冒険の旅へ!
誰か感想欄に、悪口を書いてくれないかと夢想している。
本文中で、その相手と口ゲンカしても面白い。昔筒井康隆先生が、「朝のガスパール」で相手を罵りたおしてたのが傑作だった。
なんだか、炎上商法のようですが。
ところでそっちは、新型コロナ、大変ですね。
学校も休みですか? 東京オリンピックは、どうなるんでしょう?
外出も控えてるんですか。となると、今こそますます、小説を読もう、ですね。
「さあ、どう行動するか決まった? 扉を開くわよ」
沼の声が谺したと思ったら、ゴゴゴゴゴと石の壁が動いて、まぶしい光が目を刺した。
地下じゃなかったのか?
光に慣れた目に飛び込んできたのは、豊かな大自然の風景だった。
広大な緑の丘。遠くに見える峨々たる山脈。あの険しい山の向こうに、世界を変えるような神秘な宝が隠されているのだろうか?
なんだか、懐かしい気分が湧いてきた。
ネット小説には無知でも、小学生のとき、ドラクエとファイナルファンタジーと、バイオハザードとパラサイト・イブはやったことがある。あの感覚を思い出しながら進めば、なんとかそれらしくなるんではないか?
それよりなにより、
「おお、この新鮮な空気!」
自然のパワーが、ぼくに勇気をくれた。不安でもやるぞ。冒険の旅に、いざ出発するのだ!
「チートで無双でハーレム、忘れんなよ」
山の向こうから、興醒めな沼の声。はいはい。ぼくのオリジナルの無双、やってみせますよ。
大地に踏み出すと、ぼくを閉じ込めていた壁が消えた。
マズい、コンセントがない。
と思ったとき、どこからともなく、紫色のマントをまとった老人が現れた。
「これがご入用かな」
目を覆った真っ白な眉毛を上下させながら、その仙人のような老人が手を差し出した。
「これは……」
その手にあったのは、モバイルバッテリーだった。
「なかなか便利な世界じゃろう? フォーッ、フォッ、フォッ、フォッ、フォッ、フォッ、フォッ」
いつまでも笑っているので、そのあいだにここまでを打って投稿。
PV128
LV1
「朝のガスパール」は、朝日新聞に1991年から92年にかけて連載された小説です。
パソコン通信などで意見を募り、それが作品を変容させていくのですが、筒井先生の罵詈雑言がとにかく面白かった。
30年前ですから、先見性がすごすぎ。




