レポート31 初キッス
本日の投稿は、志村けんさんのコントから学んだことを、自分なりに活かして書いてみました。
山が吹雪いてきた。
「くそ。これじゃ前が見えない。遭難したらアウトだ。どこかで休もう」
「あそこの洞穴に行くのじゃ」
みんなで急いで洞穴に移動した。
と思ったら、
「あれ、ガルは?」
「そうだ。さっきガルちゃん、ウンチしたいって」
フラが呑気なことを言った。すると門番が、
「おれ、捜してくる」
「いや、そんな赤フン姿でヒーロー的行動は無理だ。ここはぼくに任せろ。NASA開発の、遭難者捜索レーダー搭載のあったかウェアを着てるから」
ぼくは洞穴から走り出た。足にはらくらく雪山シューズを履いている。
袖のレーダーを見た。赤い点がガルで、その隣の茶色い点が、おそらくガルのウンチだろう。
「まちがいない。こっちに近づくほど、ウンチの匂いが強くなってきた」
吹雪を透かして、ホーカミの少女の姿が見えてきた。黒と白のメイド服も見える。
「ガルか?」
「ガルルーッ!」
ガルが駆けてきた。泣いてる声だ。きっとぼくらの姿が消えて、心細い思いでいたのだろう。
プーンと、なにかの匂いも漂ってきた。
「会いたかったガルー!」
とびついてきた。ぼくは、メイド服のどこかになにかがついてないだろうかと、すばやく見まわした。
「ちょっとウンチしてるあいだに、みんないなくなっちゃうから……ウンチの匂い、してないガルか?」
「……いや、してないよ」
「わたし、腸が悪いのか、ウンチが特別臭いガル。だから、ウンチの匂いを嗅がれるのが、この世でいちばん嫌なんだガル」
「大丈夫だよ」
「ユメオは、ウンチの匂い平気ガルか?」
「好きではないけど、もしそれが好きな子のだったら、そんなに嫌じゃないよ」
「特別臭くても?」
「うん。逆に、興味がないわけでもない」
「興味?」
「男の子は、女の子の、いろんなことに興味があるのさ」
「臭くても、嫌いにならないガルか?」
「ああ。興味のほうが上まわってしまうね」
「なんて優しい人ガルーッ!」
ギュッと抱き締められた。匂いがマックスになる。ぼくは息を止め、たちまち脳が酸欠になって、後ろに倒れた。
「好きガル」
ガルの濡れた鼻面が、目の前にあった。その横に長く裂けた口と、鋭く尖った牙と、だらりと伸びた赤い舌を、ぼくは朦朧とした意識のまま眺めた。
ハアハアと荒い息遣いが聞こえ、口が大きく開いて黒っぽい歯茎が見えたかと思うと、唾液まみれの舌で唇と鼻を舐められた。
初キッスだ。
フラともまだしていない。厳密に言えば、しようと試みてはいるのだが、それはダメよと断わられつづけているところだった。
先に、ガルとしてしまった。
その味は、なんとも複雑だった。
「フラお姉ちゃんには、言わないっこしようね」
「……うん」
ガルに背を向けて、歩き出した。
口の中に広がる複雑な味は、なかなか消えない。さらにまた、ウンチから遠ざかっているにも関わらず、冷たく濡れた鼻に感じるその匂いは、少しも薄れなかった。
ぼくは振り返った。
そして見た。
ガルが身体を捻り、それがホーカミの習性なのか、自分の舌で一心に裸のお尻を舐めまわしているのを。
PV675
LV6
さてと。気を取り直して、明日からは話を進めよーっと。
志村けんさんは、どんなにPTAから苦情が来ようとも、ぼくたちがいちばん笑うことをやってくれました。
本当に、息ができないくらい笑いました。
世界一面白い男、志村けん。
ありがとうございました!




