眷属化と打ち上げと教会からの使者
お待たせしました!
※ 前回までのあらすじ
仮面の男ジェスターによる暗躍により、この世界は静かに破綻へと向かっていた!
夫であるカルシファーを、仮面の男により奪われた鴉は復讐を誓い、夫とジェスターを探して冒険者となる。
そこで主人公のユウコと出会い、彼女が仮面の男へ繋がっている事が分かり追跡する。
仮面の男の仲間ではない事が分かると、鴉はユウコへ助力を求める。
求めに応じ、ユウコはカルシファーや仮面の男の捜索に協力する事になった。
そしてついに、隠されていたダンジョンの奥に、変異したカルシファーと仮面の男を発見。
道中で合流した、女神の使徒レミナと共に、ユウコ達は仮面の男と戦う。
変異したカルシファーは、救済はすでに不可能であり、それでも助けるには究極の絆の力が必要だった。
最愛の夫を救おうとする、鴉の究極の絆(愛)による自己犠牲と、主人公の救世の力により彼女達は光に包まれ、そして復活を果たすのだった。
『(フンスッ)皆様、仲良く盛り上がっていますが、そもそも眷属化は良い事ばかりじゃ無いのでありますよ?』
――使徒レミナは、唐突に語りだした。
『都合の良いパワーアップ、生き返る、若返る、成長が早くなる等々。眷属化には、確かにそんな副次的な効果もあるであります。
しかし、同時にデメリットもちゃんとあるのです。
眷属は、命ある限り主人に対して隷属されるのであります。
これは、主人である末妹の性格上は、そこまでの酷い扱いは考えられないかもしれませんが。普通は充分にデメリットと言えるであります。
また主人の身体的な特性により、それがある程度影響して眷属化するのであります。
末妹に関して言えば、恐らく不老不妊ぐらいは、眷属の方にまで影響があると思われるのであります。あくまで私の予想でありますが。
――不老不妊。つまり、その肉体の全盛期までは成長すれども、それ以後は老いず、子供も望めない体なのであります。
不老の体では、恐らく人の世で長くは1箇所に留まれない、それは一種の呪いのような物。様々な厄介事に、皆様は巻き込まれるのであります。
……つまりは、そう言う事なのであります。
皆様、それを決してお忘れなくでありますよ?』
「……う、うん。そこまで言われると、何か辛いけどそうだよね。なるべく覚悟はしておく。皆もその辺ちゃんと考えていこう」
『それと、逃げた仮面の男は(ジェスター)探知出来るでありますか?』
「そうだった! アイツにはたっぷりとお仕置きしないといけないよな。
(早速ダウジング開始! ピピッ)ん? 何か仮面の男の存在は感知出来るけど、場所が不明のままだ。
凄く微かな反応、すごく遠い場所みたいだ。少なくともこの世界には居ないような?」
『ナルホド(奴は元の世界に、本体が居るって事でありますか)。それではこの辺で、私は失礼させていただくであります(フンスッ)皆さん御元気で』
そう言って、一礼し使徒レミナは去って行った。
(仮面の男の探知は定期的にしよう。また暗躍されても厄介だからね、早期発見、早期駆除に限る)
「俺達も、そろそろ帰るか。皆でまずは王都へ戻るとして、ん~? カルシファーはそのままだとマズイな。
竜人化は出来るかい?」
『キュイッ!』
「よし、その姿なら大丈夫だな。それじゃみんな、王都へ帰ろう」
――飛行スキルを覚えたので、龍化した俺と鴉さんで皆を乗せ、王都まで飛行して帰ったのだった。
勿論、竜どころか龍が飛んでたら大騒ぎになるので、しっかり存在隠蔽スキルなどを駆使しながら。
王都が見えてきた辺りで、俺達は飛ぶのを止め、後は普通に徒歩で王都へと帰還したのだった。
「ふー、それじゃまず俺は教会へ、ダンジョン制覇の報告かな?
それからは皆で、美味しいご飯でも食べよう。
皆で好きなだけ飲み食いして、無事カルシファーを救えた事と、2人の眷属化のお祝い? 的な打ち上げでもしよう。
俺が教会に報告してる間に、皆で相談して好きなお店とか泊まる宿も選んでおいてね! 代金はこれで。(ドサッ)
お金は余らせずにパーッと、今日は皆で使いきる気持ちでね。それじゃ手配よろしく~」
『はい! お店が決まったら、ユウコさんに連絡します!』
『はぁ~い! おっにくっ♪ お肉~♪ 美味しいお肉~♪ 皆で楽しく~酒・池・肉・林~♡』
『チュ~ッ!』(御馳走!)
『きゅい!』(お腹ペコペコでした!)
『ふふふっ。祝いの宴だなんて。私も楽しみです主君。ありがとうございます』
――俺達は、美味い料理を好きなだけ飲み食いし、盛大な打ち上げを行ったのだった。凄く楽しかった!
酔ったルーク君が、突然踊りだすわ。
アスカは、大量に飲み食いした後、ご機嫌で歌いだすわ。
俺は、鴉さんにお酌されたりしながら、モッチーやカー君を愛でる事で癒されていた。
カー君ことカルシファーは、ご飯を食べた後は鴉さんに抱かれて、早々に眠っていた。
うんうん、寝る子は育つだね。大きくなれよ~!
俺達の一日は、そうして楽しく終わりを告げ、新たな一日が始まる。
――しかし、次の日になるとすぐに俺達が泊まった宿へ、教会からの急な呼び出しの使者が来たのだった。
「ダンジョン報酬が貰えるにしては……対応が早過ぎるな。厄介事の予感がする」
俺達は身支度を整え、全員で教会へと向かう事にした。
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