第1話 瞬く星より
幕が上がる。
真っ赤な緞帳がゆっくりと上がっていく。
途端に舞台内のざわつきが収まり、静寂と暗闇が支配する。
観客は今か今かと固唾を飲む。私達にも緊張が走る。
暗闇を穿つ一筋の光。スポットライトが舞台中央を照らす。
否、私を照らす。
「惑える星々たちよ!今宵貴方をお連れするのは星の夢の中。希望の唄を奏でながら光を見つける物語。瞬く星に手を伸ばす物語。Flying Twinkle Caravanが魅せる星の中へ!」
杖を宙高く掲げる。
刹那、私の周りから所狭しと花々が咲いていく。それは舞台のみならず客席から出入り口の扉まで覆い尽くす。
観客は皆声をあげて驚く。
幾千万の花びらが宙に舞い、拍手喝采に包まれながら私は続ける。
いや舞台が続く。
この国に。この地に生まれ育つものなら誰もが知る英雄譚を。私達が紡ぐ魔法が色鮮やかに世界を照らすことを祈って。
それは血に塗れた歴史だったかもしれない。
信じていたものが壊れた世界だったかもしれない。
それでも明日へ向かって進み続けたから出逢えた。
時に笑い、時に泣き、時に濡れて、時に燃えたこのお話は果たしてハッピーエンドになるのか?
人は何故星に手を伸ばすのか。
星は人に手を伸ばすのか。
瞬く星は何を照らすのか。




