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彼の言葉を反芻して今まで生きてきたの
「もう・・・・・
かれこれもう
40年も前のことだけど・・・」
そう前置きしてからその人は
話しはじめた・・・。
「恋人がいたの・・・・・
そしてその彼が出征の前に
〝僕は 僕は君のことを愛している
だから必ず僕は君の元へと戻って来る
だからそれまで待っていて欲しい 僕のことを・・・〟
そう言い残して戦場に赴いたの・・・。」
「だから私は・・・・・
私の行く末を心配する人たちから
お見合いの話しが幾度もあったんだけれど
あの日彼が私に言ってくれた言葉を反芻しながら
今まで私は生きてきてこれからもそうやって生きてゆくの・・・。」
ひとり言を呟くようにしてその人はそう言ってから
僕の顔を見てふって笑った。




