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わたしの自慢のおにいちゃんは今
「おにいちゃんは・・・・・
家族おもいで弟妹おもいの
すごく優しいおにいちゃんだったの・・・
それに勉強もよくできたしそれに運動だって
それはそれは走るのなんかすごく早くて
それはそれはそれはもう
かっこよくて・・・。」
「それにね・・・・・
すごくハンサムだったのよ
子どものわたしがやきもちを焼くくらいに
女の人たちから付文を沢山もらってくるくらいに
だからおにいちゃんと手を繋いで歩いていると
うふ 若い女の人たちの視線を感じたりして・・・
そんなわたしの自慢のおにいちゃんは
今は南の海の底深くで・・・。」
それまで・・・・・
笑みを浮かべて話していたその人の目からは
大粒の涙が零れ落ちた・・・。