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あたしパンパンだったの
人差し指を・・・・・
〝ナイショだよ〟と言うようにして
唇のその前に真っすぐ1本立ててから
その人は話しはじめた・・・。
「あたしパンパンだったの・・・・・
派手な洋服を着てパーマをかけて
真っ赤なマニュキュアに真っ赤な口紅つけて
街角に洋モク咥えて立ってパンパンやってたのよ・・・
ほんとはオンリーさんになりたかったんだけど
なかなかオンリーさんになるのは難しくて
それに特殊慰安施設協会にいたから
外人には慣れてたし・・・。」
「だから・・・・・
いつもいつも家の近所の
女たちからは蔑む白い眼で見られて
男たちからは卑猥な言葉を浴びせられてさ
でも それでもそれしか私には生きる術がなかったんだよ・・・。」
そう言ってその人は長い紫煙を吐いた。