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アジュンマの話し XXXIX
アタシの居た慰安所は・・・・・
戦場からは遠く離れた所にあったから
銃撃とか砲撃をされることは無かったんだけれど
救護所があったから最前線で戦って負傷して
身体の一部を失った兵隊さんたちが
けっこう担ぎ込まれてきて・・・。
ある日のこと・・・・・
手も足もちゃんとついているんだけれど
救護所のベッドに寝かされていた兵隊さんに頼まれたの
「なぁ わりいんだけどよ 俺のチンポを触ってみてくれ」って
アタシ 少しだけ迷ったんだけれど触ってやったんだよ そしたら
「なぁ たのむ 金玉を強く握ってみてくれ」って今度は言われて
辺りを気にしながらじかに握ってやたんだよ そしたら
「やっぱわかんねえや ごめんなネエチャン」って
その兵隊さんは薄く笑ったの・・・。
あの兵隊さんは今頃どうしているのかな・・・・・
指に挟んだ煙草の灰が落ちるのにも気づかぬほど
あの時のアジュンマは感慨深げな顔をしてた・・・。