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僕に託された戦争体験  作者: kei (^-^)/
157/215

うちの亭主は薄情者

「薄情者・・・・・

 ほんとうちの亭主は薄情者だよ

 だってさぁおにいちゃんちょっと聞いてよ

 あたしがこんなに今でも想ってるんだからさ

 幽霊になってでも戻って来てくれたって

 いいじゃない ねぇ そう思わない

 そう思うでしょ・・・。」


「いくら・・・・・

 南方の島で死んだっていったってさぁ

 そこはそれ身体があるわけじゃないんだから

 魂だけなんだからさ 身軽なんだからさぁ

 空を飛んで海を渡ってくればいいのに

 なのにほんとにねぇ 薄情者だよ

 うちの亭主はさぁ・・・。」


 あれは丁度今頃の時期のこと・・・・・

 その人はそんなどうしようもない愚痴話しを

 ガーゼのハンカチを固く握りしめながら

 僕を相手に延々と話し続けた・・・。

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