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僕に託された戦争体験  作者: kei (^-^)/
148/215

手榴弾を奪い取られたお陰で

「ゴーゴーって・・・・・

 火焔放射器の恐ろしい音が

 避難してたガマの中の一番奥にまで聞こえてきて

 あちこちで自決した人たちが呻く阿鼻叫喚が起こって

〝もうこれまでか・・・〟ってそう観念してもなお

 アタシは子どもを強く抱きしめたままで

 自決をすることが出来ずにいたら・・・。」


「優しい兵隊さんが・・・・・

 これなら子どもと一緒に楽に死ねるから・・・

 そう言って私の手に手榴弾を握らせてくれたんで

 やっと決心がついて子どもを強く抱いて眼を固く瞑って

 指をかけた手榴弾の安全ピンを引き抜こうとしたら

『よこせ』って奪い取った人がいて・・・。」


「あの時・・・・・

 手榴弾を奪い取られたお陰で

 アタシと子どもがこうして今も生きてられるんだから

 なにが幸いするかなんてほんとわかんないよね・・・。」

 そう言ってそのオバアは笑った。

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