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僕に託された戦争体験  作者: kei (^-^)/
123/215

過去に流された涙を礎にして

「父は・・・・・

 骨壺の中に入って

 戦場から戻ってまいりました・・・

 兄は紙切れ一枚だけで遺骨はありません

 そして 二人の弟も兄と同じく・・・。」


「それは・・・・・

 私の家だけに起こった

 なにも特別な悲劇ではありません・・・

 私の家は代々職業軍人の家系なものですから

 母は常に軍人の妻らしく母らしく気丈に振舞って

 人前で泣くことは決してありませんでしたが

 それでも一人に成ると声を押し殺して

 泣いておりました・・・。」


「そうやって・・・・・

 過去に流された全ての涙を礎にして

 今のこの暮らしが成り立っていることを

 あなたも決して忘れないください」と

 その方は静かに語った・・・。

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