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アジュンマの話し XXVII
陸軍士官学校出身の・・・・・
いつも如何なるときも軍刀を帯刀していた
そのまだ若い将校さんは・・・。
「自分は・・・・・
軍人になりたくて
軍人になった訳じゃないんです
家庭の経済的な事情でやむを得ず
中学を途中退学せねばならなくなって
上級学校に進学して学問をしたかったのですが
授業料もなく高等教育を受けられるからという理由で
陸軍士官学校に入校したのです・・・。」
「だから・・・・・
死にたくないのです
どんなことをしてでも生き延びて
この戦争が終結したら大学で好きな学問を学びたい・・・。」
そんな話しを寝物語で内緒で教えてくれたあの将校さんも
戦場で死んじゃったんだよとアジュンマは言うと
深い溜息を吐くようにして紫煙を吐いた。