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アジュンマの話し XXV
いろんな兵隊さんがいたんだよ・・・・・
慰安所にはいろんな兵隊さんが来たんだよと言って
アジュンマは話しをはじめた・・・。
その若い将校さんは・・・・・
親も兄弟も親戚もそれこそ全員軍人の
そんな軍人一家で産まれ育ったものだから
だから軍人に成るしか選択肢がそれこそ何も無くて
13歳で陸軍幼年学校 その後 陸軍士官学校に入校して
そして将校さんになった人だったんだけれど・・・。
「此処だけの話しだけど・・・・・
自分は軍人には向いていないのです
幾ら御國の為だとかそんなことを言われても
それでも自分は戦争なんかで死にたくなんかないし
それに敵でも殺したくも殺せと命令したくもないのです
でも そうは言ってもそういう訳にもいかなくて はぁ~ぁ・・・」
あたしのところに来るとその将校さんはそれこそいつも
そんなことを言って溜息を吐いていたんだよと言って
アジュンマは笑いながら紫煙を吐いた・・・。