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僕に託された戦争体験  作者: kei (^-^)/
104/215

自分で自分の指を切断したのに

「一人息子が二十歳になる半月ほど前のこと・・・・・

 夜遅くに仕事から戻って来た息子のその右手には

 血の滲んだ包帯が痛々しいほどぐるぐる巻かれていて

『どうしたの』って私がそう聞くと そしたら息子は

『旋盤でケガをした』って言ったんだけれど・・・。」


「私には直ぐにわかった・・・・・

 機械の操作を誤ったんじゃないってことが

 息子が自分で自分の指を切断したんだってことが・・・

 右手の人差し指が末節から無くて銃の引き金を引けない者は

 徴兵検査で実質不合格の丁種となり兵役が免除となる

 さすれば私のことを一人残して死ななくても・・・

 親思いの息子はそんなことを考えて・・・。」


「なのに そんなことまでしたのに・・・・・

 息子が働いていた軍需工場が空爆にあって

 息子の身体は跡形も無くなくなってしまって

 だから息子の骨壺のその中には息子が自分で切断した

 干乾びた人差し指と中指しか入っていないの・・・。」

 そう言ってその方は涙ぐんだ。

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