第10章 8話
「白虎の名前が出てくるとは」
どうもケンタウロスさんも知ってるみたい。
でも。
「黒野君。あれは諦めようよ」
「そうか。そう言うと思っていたぜ」
どうやら黒野君も私の考えが分かっていたみたい。
「わりとあっさりと諦めるんだな」
「うん。だってあれを抜いたら岩が崩れちゃうんでしょ?」
すぐに崩れるかは分からないが。
試したいとは思わない。
「あの小さな花達すら守れないんだったら、この世界を守るなんて無理よ」
そう。
あくまでこの世界を救いたいというのはこっちのわがまま。
それに私が救世主だとは限らない。
救って初めて救世主と言われると未だに思っている。
だからこそ。
自分たちの都合で小さな植物を潰していいなんて理屈は無い。
「なるほど。お前らが救世主と言われている人達か」
「あくまで言われているだけだけどね」
念を押す。
「聞いた通りだな」
え?
「ワルキュリア様から聞いていたんだ。自分の選んだ救世主には間違いは無いって」
そんな事を。
「こっちに来るがいい」
え?
どういう事?
岩に刺さっている刀とは違う所へと案内される。
「実はな。あれは挑戦しようとする奴の人間性を調べるために作ったものだ」
え!?
偽物?
「なるほど。伝説の武器と聞けば挑戦したくなる。だがそれと引き換えに綺麗な花を犠牲にする奴は挑戦する資格も無いって事か」
そういう事ね。
ゲームでもたまに引っかけがあるって展開はあるけど。
全然打算的な考えは無かった。
こういうのって、やはり素直なのが一番だよね。




