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第9章 7話
くそっ!
こんな事になるなら、ちゃんと修行をしておくべきだった。
今更後悔しても仕方ないと思うが。
待て待て。
思い出せ。
そうだ。
ちゃんと教えてもらったじゃないか。
気配の探りかた。
今までの俺はちゃんとやった事無いが。
やるしか無い。
俺は目を閉じる。
心を静かにするんだ。
慌てず騒がず。
耳に意識を集中するんじゃない。
もっと違う所の神経を使うんだ。
ん?
何かを感じる。
遠くに。
小さいが温かなものを。
これが気配?
まさか。
これほど簡単に出来るとは思って無かった。
そりゃあ、師匠にも素質はあるとは聞かされていたが。
そんなにすんなりと出来るとは思ってなかった。
おっと。
いかんいかん。
心を乱されていたら駄目だ。
気配が消えてしまった。
正確には気配を探る力がかき消してしまったんだが。
再び、心を落ち着かせる。
よし。
次はメデューサだ。
たぶん、あの気配は林動だろう。
一度も本人の前でやった事は無いが。
なんとなくそう思う。
あれは林動だと。
どこだ?
ん?
もの凄い黒いものが来る!
これか!!




