第9章 8話
「おまえか。たった一人で救いに来たのか?馬鹿なやつだ」
確かに無謀かもしれない。
だが。
林動を見捨てる訳にはいかない。
あいつは俺の救世主になるかもしれない人物だ。
人を信じられなくなった俺に、人を助ける事の意味を教えてくれた人物だ。
なら。
あいつを助けられる力を持ってるなら、それを使うべきだ。
俺は意を決する。
目を閉じてる今。
やつはあらゆる方法で目を開けさせるはずだ。
心を静めろ。
慌てるな。
俺にはそれだけの力があるんだ。
一瞬。
たった一瞬だけでいい。
それでこの剣技は威力を発する。
「このっ!」
ん?
これは!
砂だ。
目に砂をぶつけて来た。
だが。
構わず俺は近寄る。
「なに!?」
これぐらいの事は予想出来ている。
なるほど。
林動がいろんな事を冷静に行動出来てる理由が分かった。
覚悟を決めていれば、その事に対して動揺する事が無いって事を。
「これならどうだ!!」
また何かするつもりか。
俺の考えだと、次にやりそうな事は。
ぷすっ!
くっ。
これは。
トゲだ。
石で出来てるらしいトゲが目の付近に刺さる。
だが!
俺はそのまま林動に近寄る。
「なっ!?馬鹿な!!」
これも予想していた事。
目を閉じてる時に目の付近に怪我が起きれば、自然と目を開けようとする。
俺は無傷で林動を助けられるとは思ってなかったが。
これで終わりだ。
「それなら次は」
残念ながら、その次の策は披露出来なかった。
なぜなら。
すでに助けられる距離まで来ているからだ。




