第8章 2話
「しかし、悔しくないのか?」
「え?なんで?」
普通に興味津津で進む林動。
「だって、救世主ってお前の事だろ?誰だか知らないがそれを騙って」
「うーん。私はそうは思わないな」
え?
そうは思わない?
「だいたい私が救世主っておかしいよ。だって、まだ救ってないもん。そういうのは実際に救った人に言う言葉じゃない?」
うっ。
そういえば。
林動の言う通りかもしれない。
「だから、本当に救った人かもしれないじゃない?だとしたら、先輩として色々興味あるもん」
なんとまぁ。
自分が伝説の救世主だという自覚があまりないな。
だからこそ。
こういう素朴な人こそが、本当にこの世界を救う人間なのかもしれない。
俺もまだまだって所か。
「あっ、見て!凄い人達!」
確かに。
この大きな街の人々が集まってるって感じだな。
「これだと、実際に会うまで時間がかかりそうだな」
さすがに救世主がいるってだけある。
一目見ようとこれだけの人が集まるとは。
改めてその影響の大きさに驚く。
俺達の世界の有名人ぐらいの影響か?
だが、救った人だとすれば。
これぐらい集まるのも当然か。
「ねぇ。全然見えないから、肩車してくれないかな」
あっ、そういえば。
俺の身長でも全然見えないのに。
俺よりも低い林動じゃあ、まず見えないだろう。
「仕方ないな」
この役目は俺じゃないと無理だろうな。
ロボは林動とさほど変わらない身長だし。
「よし」
林動を肩に乗せる。
「どうだ?」
「あっ!見える。何やら垂れ幕があって、何か書いてあるよ」
垂れ幕?
その辺りは俺達の世界とそう変わらないな。
「伝説の救世主来たる。だって」
え!?
「それって」
「うん。私の事だよね?」
まさに。
偽物って事か?




