第8章 3話
「おい、これはいよいよ文句言わないと駄目だろ」
「待って!」
ん?
当の本人が止める?
何故だ?
「なんで?」
「だって、私がその救世主だって証拠あるの?」
え!?
「いや、ワルキュリア様が」
「それは私達が言ってるだけで、他人がそれを信用するの?証となる物なんて無いよ」
あれ?
「そのイヤリングは?」
「これはアーティファクトなだけであって、証拠となる品物じゃないよ。もしあっちの方が書面とかを偽造して持っていたら?それを覆す証拠ってこっちにあるの?」
うっ。
そう言われると、確かにこっち側には証拠となる品物は無い。
「だいたいこういうのって、あいまいに伝えられてるから、偽物がいても不思議じゃないよ」
わりとあっさりしている。
「けど、悔しくないのか?お前が救世主なんだろ?」
「別に」
ドライな奴だな。
もっと熱血的な奴かと思ったが。
「こういうのはゲームで慣れてるし」
え?
「偽勇者って展開、ゲームでもあるから悔しいって感じは無いかな」
またゲームでの知識か。
こういう時の林動は、もの凄く冷静だ。
感情的になりやすい俺とは対照的だな。
「それに」
それに?
「こういう時って、だいたい偽物に何かアクシデントが起こるもんだよ」
それもまたゲームでの知識か。
が。
そうそう上手くいくのか?
ん?
街の空が。
急に暗くなってきた。
なんだ!?
「ほら、イベントが来た」
まさか!?
本当に?




