第2章 10話
四方神?
青龍という名前で私は四神という、中国の神を思い出した。
ゲームではよく聞く名前でもある。
青龍・白虎・玄武・朱雀。
そのうちの一人。
それが目の前に。
「なるほど。あなたがワルキュリア様が言っていた子ね」
やはり私の事も知っている。
「青龍さん」
だからこそ。
私は聞いておきたい事がある。
「なぜ私なんですか?」
もっともな疑問。
ロボさんはまだ分かる。
もの凄い戦闘能力があるから。
確かに私は曲玉の能力がある。
それでも、それを全ては使いこなせない。
こんな中途半端な力じゃ役に立たないのに。
なぜ?
「その答えは、あなたの能力の中にあります」
え?
「私の!?」
まさか。
「あなたはまだ全ての力が使える訳じゃないんでしょ?だからそんな質問が出る」
それはそうだけど。
「青龍はんとか言うたな。確かにこの子の力は未知数や。ついさっきまで戦闘は不慣れやったが、突然動きが違ってきたしな」
ロボさん。
「そうね。この子は曲玉の能力だけでなく、別の力もあるからね」
別の力って。
「それって、ゲームの知識?」
動きが変わったと言われる原因はそれしか思いつかない。
「あなたは自分の好きなゲームを、そのゲームの登場人物のように体を動かした。まるでゲームで操作をするように。そういう客観的な部分は、あなたの最大の長所よ。これからもその気持ちを忘れないで」
やはり。
私がずっとゲームで熱中していた事は無駄じゃなかった。
そうなると。
今までデタラメに放っていた力も、これからは違う視点で使う事も考えられる。
そう。
格闘ゲームのように使うとか。
そう思うと、棍もある程度使える気がする。
「さて。あなた達はここに来た最大の目的って何だか分かる?」
え?
「それって、次の目的地を聞く事じゃないの?」
ワルキュリア様はとりあえずここに来いとしか行ってなかったし。
次々に行く事で、何か分かるのかも。
「違うわ」
違う?
「あなた達の力はまだ弱い。従ってここで修行をしてもらうわ」
修行!?
「ここに来るまでの洞窟は、いわば修行をするための試練ね。あれを乗り越えられないようでは、修行をする基礎も無いって事よ」
ふるい落としって訳ね。
「それで、何するんや?」




