第2章 青龍
神殿を出てひたすら進む。
ロボさんのおかげで方向も分かるし。
本当に一人でなくて良かった。
とても心強い仲間。
「それにしても、分からん事が一つある」
え?
「あんたの力は認めるが、この世界を救うほどの力があるかって言うと疑問があんねん」
それって。
「私の力がそれほどでもないって事?」
「ハッキリ言うとな。わいのように世界を破壊出来るほどの力がある訳でもない。ヨーコはんのように絶対的な武器を持ってる訳でも無い」
あっ、そういう事なのね。
確かに、私の雷拳はそれほど強い力って訳でも無い。
「それなら、たぶん。私の残された力にあるんじゃないかな」
「残された力?」
「うん」
私はロボさんに説明した。
私はお姉ちゃんから能力を説明された事をそのまま伝える。
私の力は7つの形がある。
拳はそのうちの一つ。
つまり、まだ私の雷の力は6つも残されている。
だけど、その力を使う事はまだ出来ない。
それは、これまでこの力を使うとは思っていなかったから。
万が一の護身の為に雷拳だけは使えるようにはしたけれど。
残りの6つを使うなんて思っていなかったから。
「なるほどな。つまり、その残りの6つを使いこなせるようになれば」
「うん。たぶん、それがこの世界を救う力って事になるんだろ思うの」
まだ見ぬ私の力。
そこに、この世界を救う力があるんだと思う。
お姉ちゃんは詳しくは教えてはくれなかったけれど。
私は使いこなしてみせる。
それこそが、この世界に呼ばれた私の目標。
「それにしても、結構遠いのね」
まだまだ見えない。
かなり高い山がいくつも見えるけれど。
神殿なんて見えない。
どこに目標があるのかな。
「そんなに急いでもしゃあない。第一あんたはその目標があるんやろ?そっちが先やと思え」
あはは。
どうも焦っちゃうな。
この世界を救いたい!って気持ちがあるから。
「見ての通り、まだこの世界がすぐにでも崩壊するって訳やあらへん。だから焦る必要はあらへん」
確かに。
まだ平和そのもの。
そりゃあ魔物とかには出会ったけれど。
でも、すぐにこの世界が無くなるって訳じゃないし。
焦っちゃ駄目ね。




