第1章 13話
「知ってる人なんですか?」
映った人はとても綺麗な女性だった。
羽を付けたティアラを付けているのが印象的な戦士、という格好。
「知ってるも何も、この方がわいらをこの世界に呼んだ張本人であり。そしてこの世界、いやわいらの世界に至るまで全てを束ねる神なんや」
え!?
「神様!?」
まさか。
本当に存在しているなんて。
別に宗教を否定する訳じゃないけれど。
日本人というのは、だいたい特定の宗教に思い入れというのは無い。
それは12月24日にクリスマスを祝い、元旦には初詣に行くというのでだいたい分かる。
だから神様とか言われても、具体的なイメージは無く。
いないと思っている人すらいるかもしれない。
私もそんな一人だった。
だけど。
今、目の前に映ったこの女性が神様だなんて。
あまり信じられない。
だけど。
ロボさんが真剣な口調で言うって事はそうなんだと思う。
あまりにも現実離れしすぎて、こんな心境なんだけれど。
「すいません。またもやあなたを頼る事になって」
「別にわいはええわ。所詮は戦闘用に作られた。戦う事こそがわいの生き甲斐みたいやしな。せやけど、どうしてまたこんな子を」
「それは、その子こそがこの世界を救うために必要な力を持っているから」
え?
えぇー!?
私が!?
「なんや。わいはまたその才能を手助けする為かいな」
「すいません。他に適任がいなくて」
まさか。
ロボさんが主役で。
私は脇役だと思っていた、この冒険。
実は逆だったなんて。
でも、本当にそんな力がこの私に?
「それで、わいらはこれからどうすればええんや?」
「まずはこの神殿から東へ一直線へ行ってください。そこにも神殿がありますので」
神殿?
「それが、この世界を救う道ちゅーわけか」
「はい」
どういう事なんだろう。
そこに何があるのか。
多くを語らないって事は、行くしか無いって事なのね。
「一つ聞きたいんや」
「はい?」
「ヨーコはんはどうなったんや?」
ロボさんの前の冒険の仲間の人だ。
よほど心配なのね。
「大丈夫。無事に妖魔界は救われたわ。全員無事で」
「そうか。やはり、あいつはやってくれたか」
やはりと言うには心配してる。
でも、それだけ仲間としての絆があるんだ。
まだ私たちにはそれだけの強い絆は無いかもしれないけれど。
私も、その人に負けないように頑張らなきゃ。
「よし。聞いた通りや。まずはこの東へと向かうで」
「えっと、東ってどっち?」
正直、方角なんて分からない。
「安心せぇ。わいは方角も分かる。わいに付いてくればええ」
よかった。
本当に、ロボさんがいてくれて良かった。




