10ー9 お茶会
10ー9 お茶会
それから。
俺は、毎日、勉強と剣と魔法の鍛練に励んだ。
夜は、領地経営についてカイさんに教わった。
「お兄様、忙しすぎますわ!」
ある日の昼食時にロッテが可愛らしく頬を膨らませる。
「たまには、息抜きも必要です!」
「ああ」
俺は、ロッテの言葉に頷く。
「じゃあ、今度の祭りの時には、一緒に街に遊びに行こう」
もうすぐ冬の祭りがやってくる。
最近は、祭りもあまり賑わってなかったらしいのだが今年は違う。
今年は豊作だったし、税金を免除したので街の人々の生活も少しは潤ってきたようだ。
ロッテは、満面の笑顔を浮かべた。
「約束ですわよ!お兄様」
午後から俺は、剣の鍛練のために裏庭へと向かった。
裏庭ではすでにテイルズ副騎士団長が待っていた。
「遅いぞ!クロウズ」
俺は、テイルズさんから練習用の模造剣を受けとると素振りを始めた。
剣は、子供用の少し軽めのものだがそれでも俺には重い。
俺は、冷気の中、汗を流して剣を振り続けた。
剣の鍛練とはいえ、主に素振りしかしていない。
テイルズさんいわく、「今は、体力作りが大切なので」とのこと。
すっかり息があがって俺は、地面に座り込んだ。
「今日は、これぐらいにしておきましょうか、クロウズ様」
テイルズがそういうのを待ち構えていたかのようにロベルタが現れる。
「次は、魔法の時間ですよ、クロウズ様!」
「ちょっと休ませて」
俺が弱々しく言うとロベルタが眉を下げる。
「仕方がないですね、ちょっとだけですよ?」
俺とロベルタは、庭の隅にあるベンチに腰かけてアネッサが運んできてくれたお茶を飲んだ。
足元でロリスがちょろちょろと白い玉を追いかけて遊んでいるのを微笑ましく見守る。
ロリスは、俺の魔力の影響かだいぶ成長していた。
アネッサが言うには、そろそろ人化の術が使えるようになるんじゃないか、ということだ。
俺たちがのんびりしていると家敷からメイド服姿のグレンアイヒが走ってくるのが見えた。
「主!」
グレンアイヒが呼び掛ける。
手に籠を抱えている。
なにやら甘い香りが漂ってくる。
グレンアイヒは、俺たちに籠を差し出した。
「食すがいい。ラザニエルお姉さまに教わり我が作ったクッキーだ」
「ありがとう、いただくよ」
冬の始まりの陽光の下、和やかなお茶会は続く。




