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5ー8 魔力譲渡

 5ー8 魔力譲渡


 俺の体内にラザニエルさんの温もりが流れ込んでくる。

 心地よくて目を閉じ魔力の流れに身を委ねるがすぐに激しい頭痛を感じた。

 (ラザニエルさん!)

 俺は、魔鏡を取り出してラザニエルさんに呼び掛けるが返事がない。

 魔鏡には、青ざめた表情でその場にうずくまっているラザニエルさんの姿が映っていた。

 ラザニエルさんは、すぐに立ち上がって頭を振る。

 (大丈夫よ。ちょっとめまいがしただけだから)

 (でも!)

 (あなたは、あなたのすべきことをしっかりとしなさい!わかった?クロウズ君)

 それっきり魔鏡からラザニエルさんの気配は消えてしまった。

 「大丈夫、かな?」

 俺は、鏡に映った自分自身の姿を身ながら呟く。

 魔鏡が感情のこもらない声で答えた。

 『大丈夫です。ラザニエル様は、不死ですし、本来ならこの程度の魔力譲渡で影響などでませんから』

 「なら、どうして体調が悪そうだったんだ?」

 俺に問われて魔鏡がさめた声を出す。

 『それは、あなたが幼い姿であることが原因です』

 はいっ?

 キョトンとする俺に魔鏡は続ける。

 『幼い体故にあなたは、ラザニエル様の魔力に耐えられない。そのため自分を守るために自然と魔力量を押さえています。だから、ラザニエル様が扱える魔力量も常に比べると少なくなっているのです』

 マジか!

 そのとき、遠くの浮島で声が上がった。

 微かに剣激の音が聞こえてくる。

 テイルズのことだ。

 心配しなくても大丈夫だとは思うが。

 俺は、魔鏡で浮島の様子を伺った。

 鏡面が揺れて数人の男たちがもみ合う姿が映し出される。

 どうやら男たちは、みな、『ローム病』にかかっているらしく赤い顔をしてふらついていた。

 騎士団は、俺の命で『ローム病』にかかったことがある者ばかりで向かっているから感染はしにくいと思うんだけど。

 俺は、遺跡の奥の方にいる人々の方を映し出す。

 5、6人の少女たちが鎖に繋がれているのが見える。

 その中には、明らかに山の民だろうと思われる少女もいた。

 

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