15ー4 狙われる?
15ー4 狙われる?
王都を覆う暗い陰は、学園にも及んでいた。
学生たちの表情も暗く、みな、何をするにしても声をひそめているようだった。
「なんか息苦しいなぁ」
久しぶりに顔を出した生徒会室では、グレイズがため息をついていた。
他の役員たちも所在なさげに過ごしていた。
ソファに腰を下ろした俺とグレンアイヒにアイラさんがお茶を出してくれた。
アイラさんは、相変わらず態度が不審で俺は、なんだか安心していた。
「ありがとう、アイラさん」
「はひっ!」
俺がお茶の礼を言うとアイラさんが真っ赤になって小刻みに震え出した。
それを見てグレイズがまたため息を漏らす。
「ところでクロウズ君」
グレイズが俺の前の椅子に腰を下ろした。
「ロシナンテ嬢のことなんだけど」
「はいっ?」
俺は、じっとグレイズのことをうかがった。
なんで今さらロシナンテの名前が
学園の生徒会で出てくるんだ?
もしかして俺がロシナンテ救出に関わっていることがバレてる?
緊張のあまり俺が黙り込んでいるとグレイズがにやっと笑った。
「君は、正直すぎるね、クロウズ君。そんなんじゃ、貴族はやっていけないよ?」
「な、なんのことです?」
とぼける俺にグレイズがにっと口角を上げる。
「まあ……私は、別に聖女のことに興味はないので。それより、新しい聖女候補のこと、君はどう思う?」
「新しい聖女候補?」
俺は、キョトンとしてしまった。
「確か、ミリィ・コルネール男爵令嬢ですよね?」
「そうだ」
グレイズが頷く。
「彼女がこの学園に編入してきてもう1ヶ月ほどになるんだがいろいろと問題が起きていてね」
「問題?」
俺が首を傾げるとグレイズが身を乗り出した。
「ああ。どうも、今度の聖女候補は、教育がなってなくてね」
なんでもグレイズが言うには、ミリィは、貴族の礼儀などを無視して自由に振る舞いすぎているんだとか。
「というか、婚約者のいる将来有望な男子生徒を次々と自分の取り巻きにしているようだね」
そうなの?
いまいち理解できてない俺にグレイズは、ポン、と肩を叩いて告げた。
「君のような優秀な若者は、狙われやすいから気をつけた方がいい、クロウズ君」
はいっ?




