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14ー10 心変わり

 14ー10 心変わり


 俺の言葉を聞いてロシナンテがくすりと笑った。

 だが、ロシナンテは、すぐに笑みを引っ込める。

 「ごめんなさい。でも、あまりにもクロウズ様が不器用なものですから」

 つっけんどんな態度は変わらないがそれでも少し、刺々しさはなくなっている。

 俺は、ちょっとホッとしていた。

 「俺、そんなに不器用ではないですよ?」

 俺が言うとロシナンテが口許を綻ばせた。

 「あなたは、とても不器用だわ。でもすごく……優しい……」

 思いもしなかったロシナンテの言葉に俺は、ちょっと驚いていた。

 ロシナンテは、静かに言葉を紡ぐ。

 「目が見えなくなって代わりに私、人の心を感じられるようになったのです。あなたの心は……とっても綺麗な青色をしているわ」

 「それってどういうこと?」

 俺は、ロシナンテに問いかけた。

 ロシナンテがくすくすと笑った。

 「言葉の通りですわ、クロウズ様。あなたは、優しくて、高潔だけど……青い……」

 「はぁ……」

 俺は、間抜けな返事をしてしまう。

 ロシナンテは、ふっと真顔になると胸に手を置いて俺の方を見た。

 「だから、あなたには、私が必要だと思いましたの。幼い頃から教会と貴族社会で生きてきたこの私が」

 ロシナンテが目を閉じた。

 「どうか、婚約者としてではなくてもよいので私を側に置いてお使いくださいませ、クロウズ様。私にできることであればなんでもいたします」

 はいっ?

 俺は、突然のロシナンテの変化に戸惑っていた。

 ラザニエルさんも顔にこそ出してはいなかったが少し驚いているようだった。

 「いったいどういう心境の変化なのかしら?」

 ラザニエルさんがやんわりとロシナンテに聞く。

 「あなたは、以前からクロウズ君のことをとても嫌っていたようだったのに」

 「確かに私は、クロウズ様のことを拒絶していました」

 ロシナンテが目を伏せる。

 長い金色の睫に気付いて俺は、ちょっとどきっとしてしまう。

 この人は。

 こんなにも美しかったのか。

 「私がクロウズ様を拒んでいたのは、両親の影響もありましたの。でも、今では、それが愚かなことだったのだと身に染みて理解できておりますわ」

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