12ー4 追放?
12ー4 追放?
「それは……」
少女が視線をそらす。
俺は、うつむき加減な横顔をまじまじと見つめた。
ちょっと美少女というには風変わりだが、なかなかかわいい顔をしている。
特に青い瞳がきれいだ。
まるで空の果てみたいに美しい。
「あなたは……もしかしてエイダス公国のレイラ王女ではないかしら?」
突然ラザニエルさんが問うと少女が青ざめた。
「なぜ、私の名を!?」
「いえ、たまたま仕事で顔だけは知ってただけよ」
ラザニエルさんがふっと口許を緩める。
「あたしたち、ライズの街からきたのよ」
「ライズから?」
少女が緊張を解いた。
「では、セフィール辺境伯の領地の方ですの?」
「ええ」
ラザニエルさんが頷く。
「ところで、なぜ、あんなところでエイダス公国の王女様が近衛騎士に追われていたのかしら?」
「それは……私が悪いのです」
レイラ王女がぽろり、と涙を溢した。
すすり泣く王女に俺たちは、困惑してしまう。
「もう、大丈夫だから」
ラザニエルさんが優しく話しかけると王女は、鼻をすすって顔を上げた。
「実は……聖女に……ロシナンテ様にはめられてしまって……」
なんですと?
俺は、ラザニエルさんをチラッと見た。
ラザニエルさんは、レイラ王女に問いかける。
「詳しくきかせてもらってもいいかしら?」
「はい……」
レイラ王女は、ふぅっと深呼吸をすると話し出した。
「私、実は、アダムズ王国との友好の証としてこの国のフロストール魔法学園に留学してきたのですが……」
「知ってるわ。確か、近々、王太子殿下との婚約が発表されるとか」
ラザニエルさんをじっと見つめていたレイラ王女がじわりと涙ぐむ。
「それが……聖女への不敬とか言って婚約はなし。留学もなしで国に帰らされそうになってるんです」
「なんで?」
俺が問うとレイラ王女がうつ向いた。
「全ては、あの聖女の仮面をかぶった悪女のせいなんです。彼女のせいで……私……追放されるかもしれないんです」
追放?
俺とラザニエルさんは、顔を見合わせた。
友好国の王女を追放とか、いったい、どういうこと?




