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11ー9 臣下の礼

 11ー9 臣下の礼


 「いそげ!みな、聖女様をお守りするんだ!」

 遠くで騎士らしき人々の声が聞こえた。

 俺は、慌ててそちらを見た。

 はっと息を飲む。

 少し離れたところにいる一団に目がいく。

 そこには。

 遠目にもわかる金髪の美少女の姿があった。

 一瞬、目が合う。

 が。

 すぐに俺の側にドラゴンが轟音をたてて着地した。

 地響きとともに衝撃波が周囲の人々を吹き飛ばす。

 俺は、なんとか踏み留まったがロリスが飛ばされていくのが見えた。

 「主様!」

 グレンアイヒが俺とドラゴンの間に立ちふさがる。

 「グレンアイヒ!」

 俺は、グレンアイヒの手を引いて背後にかばおうとするがその前にレッドドラゴンが炎を吐いた。

 しまった!

 俺は、慌てて土魔法で防壁を築く。

 『やはり、そうか』

 割れるような大声が辺りに響き渡る。

 『お主、精霊の力を宿しておるな!?』

 はいっ?

 俺は、恐る恐る土の壁の向こうを覗き込んだ。

 すると。

 レッドドラゴンがひれ伏しているのが見えた。

 『どうか、我があなた様の臣下としてお仕えすることをお許しくださいませ、偉大なる精霊の主よ』

 ええっ?

 俺は、ちょっと混乱していた。

 このドラゴン、どうしたらいいの?

 まずい、まずい、まずい!

 パニックになっている俺の横からグレンアイヒがそっと囁く。

 「とにかく、ここは、いったん臣下の礼を許して去らせる方がよいのでは?」

 「あぁっ!」

 俺は、小声で告げた。

 「許す、からさっさとどっかに行ってくれ!」

 『はっ!かしこまりました、精霊の主よ!』

 ぶわっと風が舞い上がりレッドドラゴンが上空に飛び立つ。

 なんだったんだ?

 俺は、土壁の陰から飛び去っていくレッドドラゴンを見送りつつため息をついた。

 「おそらくは、主様の気を感じ取ってやってきたのであろうな」

 グレンアイヒが髪についた土ぼこりを払うと俺の頭の方へと手を伸ばす。

 「主様も、埃だらけじゃな」

 俺は、慌てて服の上着についた埃を払う。

 「もしかして、クロウズ・セフィール様?」

 名前を呼ばれて振り向くとそこにはさっき見た金髪の美少女の姿があった。

 

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