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10年付き合った彼氏に浮気された地味女は、ヤンデレになった後輩に溺愛される。  作者: 文字書きA


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9/10

帰り道①

「荷物が多くなるんだけど」


そう言って、秋子(あきこ)は途中でスーパーに寄った。春斗(はると)は黙ってついていく。


「須東(すどう)くんは、何か食べたいものはある?」


「肉じゃががいいです。……先輩に、初めて作ってもらったものですから」


「……そ、そう。安いお肉があるといいね」


サラリと言われて、彼女はろこつに目をそらした。大学時代は、自宅でホームパーティーをしたこともある。


(……そういえば、毎回ほめてくれてたな……)


こま切れの豚肉をカゴに入れながら、彼女はさらに落ちこんだ。


「……須東くんはさ」


良くないことだと思うのに、口から勝手に言葉が出てくる。人参とじゃがいもを追加で入れて、秋子はポツリとつぶやいた。


「なんで私に、ここまでしてくれるの?」


「好きだからです」


真剣に言われて、彼女はピタリと手を止める。横を見ると、春斗のまっすぐな瞳(ひとみ)と目があった。


「僕は、先輩にずっと憧(あこが)れていました。他の女性と付き合っても、長続きしなかったのはそのせいです。……気づいてましたか? 僕、あなたに紹介された人としか、付き合ったことがないんですよ」


「えっ」


秋子は石のように固まった。心当たりがある気がして。


(……そういえば、2回目と3回目の子には、あんまり会ったことなかったかも)


大学のとき、彼には3度、知り合いを紹介したことがある。1番長く続いたのは最初の子で、同じサークルの後輩だった。次は同じ講義を取っていた同級生。その次は、同じ学部の先輩。


(……別れた後に、ちょっと嫌われたような気もするし……)


今まで気づかなかったのは、最初の子に変化がなかったからだ。同じサークルで、卒業するまでずっと仲が良かったと思う。


(でも、もしかしたらあの子のことも、知らずに傷つけていたのかもしれない)


グルグルと、考え続ける秋子を見て、春斗は困り顔になった。


「……彼女たちとは、お互いの合意の上で付き合っていました。僕には忘れられない女性がいると。本人には、それでもいいと言われましたよ」


そこで、言葉を切って。彼はため息をつきながら続ける。


「……結局、僕は自分を変えられなかった。ずっと、あなたのことが好きなままで。気持ちが悪いと、思われますか?」


秋子は慌(あわ)てて首を振った。


「いやいや! むしろ、ごめんね。まさか、そんな……須東くんに好かれてるなんて、考えたこともなかったから」


「そうでしょうね。でも、そんなあなただから、僕は好きになったんです」


春斗は悲しげに目を伏(ふ)せる。


「できることなら、僕が先に出会いたかった。何度、そう思ったかわかりません」

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