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第十九話 黄金の大斧(おうごんのおおぶ)

楽しんで読んでいってもらえると幸いです。

アテネ『身体強化魔法 三重駆(みえかけ)!!!』


詠唱と共に彼女の両足を囲むように、三つの光輪が顕現する。

それと同時に彼女の前後に二人の聖騎士が姿を現す。


聖弓 オーウェン・ハルエイム

口髭にオールバックが特徴の中堅聖騎士。聖清十器の頭脳であり、冷静な判断と精密な射撃技術を駆使し、戦闘を行う。


聖弓オーウェン『アンタ、魔族だな。手練れの戦士っと言ったところか。』

アテネ『オガーレに抜けるだけだ。見逃して貰いたい。』

聖旗の女『それは無理な相談です。』


聖旗 シエルエナ・エルフィ

金髪の森人種(エルフーン)の聖騎士。彼女の持つ大旗の柄には刃が仕込まれており、それを用いて超起動戦闘を行う。


聖旗シエルエナ『アナタもわかっているでしょう。ここは聖域、魔族のアナタがいていいはずがない。見つかれば結末は必死。』


そういうと彼らも構える。


聖旗シエルエナ『聖清魔法(せいせいまほう) 旗の靡きが未来を告げる(セイクリッド クレンス)。』


シエルエナ持つ大旗が輝きだす。

そしてオーウェンも、弓を構え弦を引く。


アテネ『三重駆(みえかけ) 一番、、、!』


ダン!!!!!


瞬間、砂煙が舞い、アテネの姿が消える。


聖旗シエルエナ『オーウェン!上よ!!』

聖弓オーウェン 『!!!』


オーウェンは空を見上げる。煌々と照らす太陽、熱で立つ蜃気楼の中、それらを背に、光に紛れた黄金の一撃がオーウェンを襲う。


キィィィィン!!!


重い、非常に重い一撃を、オーウェンはその弓で、かろうじて受け止める。しかしその衝撃は、砂岩の家の足場を崩す。


抜け落ちた屋根の瓦礫の中、アテネが頭をあげる。構えた斧の切っ先にはオーウェン。


差し込む陽光を何かが遮る。シエルエナの鋭い一撃が、アテネを襲う。

しかしそれは、歴戦の猛者には周知のことであった。構えた大斧を勢いよく後ろに振りかざす。ありえない体制からの一撃は、完全な不意であった。


アテネ『三重駆(みえかけ)、二番!!』


黄金の大斧は砂塵を切り裂く。そこには鎧と斧の衝突音も、鋼が人肉を切り裂く感触もなかった。


アテネ『!?!?』


しかし感じられる。激しい痛み、異物がこの身を引き裂く。

アテネの左脇腹から伸びる、聖旗 シエルエナの大旗。


アテネ『避けるとは、、、。』

聖旗シエルエナ『旗の(なび)きが、告げる未来。』


シエルエナは旗を抜く。アテネが、膝から崩れ落ちる。

シエルエナは、そんな彼女を見下ろし、再び旗を構える。


聖旗シエルエナ『聖清(せいせい)を執行します。』


アテネは死を悟る。しかし、、、


アテネ『金舞魔法(きんぶまほう) 黄金装甲(ゴールドシェル)、、、!!』

聖清シエルエナ『、、、!!!?』


凄まじい衝撃が、シエルエナと起き上がったオーウェンを弾き飛ばす。


アテネ『この手は、、、使いたくなかったんだ。』


アテネの全身は黄金の甲冑に覆われ、そのオーラは先刻の比ではなかった。


アテネ (逃走可能。)


アテネは大きく踏み込む。


アテネ『三重駆(みえかけ) 三番、、、!!!』


バン!!!!!!!!!


巻き起こる旋風、砂煙、次点にはもう、オアシスの街に、彼女の姿は無かった。

作品を読んでいってくれてありがとう!

次回 多種族共生主義国家

よろしくお願いします!

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