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『王女に裏切られ追放された元婚約者の俺は、絶望の果てで手にした邪眼の力で王女に復讐することに決めた』  作者: ポプラ


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第三章 廃屋の堕落 ―黒紫に染まる白銀の騎士― 2

 がっくりとうなだれたリンドに、カイルがそっと声をかける。


「リンド……どうだ? 生まれ変わった気分は」


「……は、い……カイル、様……すごく、良い、気分、です……」


 荒い息遣いのままリンドがゆっくりと答える。


「そうか……リンド、質問に答えろ。目の前にいる俺は誰だ?」


「……は、い……あなた、様は……カイル……様……です……私の……私の、ご主人様……です」


 質問に答えるためゆっくりと顔を上げたリンドの瞳からは、理性の光が完全に消え失せていた。


 代わりに底知れない「悦楽」と「隷属」の色が宿っている。


「そうだ。俺はお前のご主人様だ。なら、お前は誰だ?」


「……わ、たしは、リンド……リンド・ブラッドレイ……ご主人様の、忠実でな……メス犬、ですっ!」


 そう述べたリンドは、自らカイルの足元までさっと這い寄ってくると、まるで許しを乞うように、カイルの血が流れる掌に何度も何度も熱い口づけを落とした。


「んちゅ、ちゅ、んちゅ……んちゅぅぅぅっ……あぁ、ご主人様、ご主人様、ご主人様っ!」


 メス犬になり果てたリンドの様子に、カイルはまるで邪悪な魔王のような笑みをこぼす。


「そうだ。お前は俺の忠実なメス犬。もう王国のために命をかけて戦わなくて良い。俺の命令にだけ従い、俺の魔力だけを受け入れ、俺を悦ばせる……それがお前の新しい生きがいになるんだ」


「はい……私は……ご主人様だけのものです……ご主人様のためだけに、これからは生きていきます……あぁぁ、ご主人様なしに私はもう生きていけませんっ!」


 カイルの手に頬ずりしながらそう述べるリンドの頭を、カイルは優しくなでる。


「ははははっ! よく言えたぞリンド」


「あぁ! ご主人様ぁぁ! ご主人様ぁぁぁぁっ!」


 白銀の騎士リンドは完全に死んだ。


 カイルの目の前にいるのは、指先一つで絶頂し、カイルのためならば王国を裏切ることも厭わない、忠実な「メス犬」だった。

読んでくださってありがとうございますm(__)m


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