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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 ヤベエお姉ちゃんが6人も嫁にきた!

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第22話 丸瀬陽菜ちゃんはちっちゃいバイクで走り出すらしい

「このバイクよ」

「ちょ、なんですかこの小さいの」

「モンキー50、もう生産終了している小型バイクよ」


 昼食後、凪さんが父さんと電話で仕事の長話らしく、

 二度寝しようとしたら陽菜ちゃんがバイクを見せてくれるというので、

 地下駐車場まで行くとバイク駐輪場におもちゃみたいなミニマムサイズのオートバイがあった。


「乗るとぴったりサイズですね」

「さあ、お買い物に行くわよ?」

「えっ何を」「その前に公園でお話でもする?」


 あっ、午前の凪さんとみたいに。


(また今度も重い話かな)


 だったら早めに聞いておこう。


「良いですよ、じゃあ川の傍の、あっ、海のだっけ」

「凪っちがリョーちゃんと行きたいって言ってたとこね」

「そうなんですか」「地上に出て右の歩道橋を渡ると早く着くわよ」


 そんなショートカットが!

 凪さんとはあちこち回ってたからね。


「わかりました、陽菜ちゃんは」

「バイクでぐるっと行くわ、すぐ追いつくから先に待ってて」

「はい、お願いします」「それまでに何の買い物か、予想しておいてね」


 ということで歩道橋を渡って例の公園へ、

 凪さんの重すぎる話を思い出しながら同じベンチへ座る、

 いやほんと婚約者を裏切ったって、しかも即? 違う女性と結婚するレベルって何やったんだろうか。


(いや、いま予想するのはそんなことじゃないや)


 ええっと、これから一緒に何を買いに行くか、かぁ、

 陽菜ちゃん25歳だからなあ、屋上プール用のビート板かな?

 いや浮輪か、とかボケてないで……なんだろう、ヒーローもののフィギュアかな?


(ばか高い下着とか買わされたらどうしよう)


 大人の女性の高級下着って、

 万単位のお金がかかるイメージがある、

 いや、そっちじゃなく普通のお洋服ってパターンも。


「どうしよう、大人な女性の服をコーディネートしてって言われたら」


 まずSSサイズがあるかどうかのチェックだな、

 いやもう子供服売り場に突っ込ませようか、ってさすがに怒られるかな、

 とりあえずは、あのモンキーとかいうバイクで颯爽とやって来るであろう陽菜ちゃんを見て、その姿で予想を……


(あっ、あれかな? って、えええええ?!?!?!)


 バイクに乗った陽菜ちゃんが、

 パトカーに先導されてやってきた!!


「うわあぁぁ、これは予想つかなかったよ……」


 そして陽菜ちゃんは公園へ、

 警官は敬礼してら、ヘルメットを脱ぐ陽菜ちゃん。


「いったい何があったんですか」

「公道に出たとたん、職務質問されたわ」

「なんでまた」「子供がバイク乗っちゃ駄目でしょ、ですって、それでこれを」


 免許証を僕にも見せてくれる。


「えっと、ええっと……うん、25歳ですね」

「風てよろけないようにってお詫びで先導してくれたわ」

「なんだか、行く先々で警察に止められそうですね」「1・2か月もすればこの地域で周知されるでしょ」


 前に住んでいた所でも、

 きっとそんな感じになったんだろうね。


「それでええっと」「お話よ」


 ベンチで僕の横に座る陽菜ちゃん。


「どんなお話を」

「ニチアサは見てるかしら?」

「ええっと、まあ、それとなく」「好きなシリーズは?」


 とまあ、意外と軽い話でした!

 24歳の田中凪さんが激重な話をしてくれて、

 25歳の丸瀬陽菜ちゃんが特撮やアニメの話という。


(一気に軽くなったなあ、体重的にも)


 りんご100個分だっけ? 体重。


「……わかったわ、じゃあ今度の休日、特撮ショーを観に行きましょう」

「それはどこへ」「商業施設で結構やってるわよ、この近所も、数駅先とかでも」

「チェック済みですか」「あと千葉の競馬場とかね、リョーちゃんは馬券買えないけど」

 

 逆に陽菜ちゃん買うのかな。


「それはそうと、これからのお買いものですが」

「予想ついた?」「はい、衣料品とかでしょうか」

「でもいいけどセンスが試されるわよ」「えっ」「何せ買うのは、キョーちゃんの誕生日プレゼントよ」


 キョーちゃん、

 あっ、小泉景香お姉ちゃんの!

 確かに明日、誕生日だからね、そのプレゼントかあ。


「うーん、何が良いかな」

「そのアドバイスを、このお姉さんがしてあげるっていう買い物よ」

「ありがとうございます、その、大人ですね」「婚約者最年長ですもの!」


 そんな胸を張らなくても!


「……10才差って、気にならないですか?」

「逆に聞くけど身長差って気にする?」「いえ別に」

「だったら私も気にしないわ、マトモな恋愛のチャンスなんて奇跡に近いもの」


 そういう認識なんだ、

 これはこれである意味、

 重いと言っても過言では無いかも。


「でもいいんですか、ライバルの誕生日プレゼントとか」

「ライバルっていうのに目を瞑れば、同僚であり婚約者の従姉よ」「確かに」


 これが大人というやつか。


「とはいえ現役JK成り立ての誕生日プレゼントですものね」

「その、お花とかじゃ」「農園の出なんでしょ、好きな花とか聞いてる?」

「前に会ったのが6年くらい前ですから」「……会わなくなったきっかけ、何かあったの?」


 鋭いなあ、

 このあたりもやはり大人か。


「……それを打ち明けられる程、まだ親密では」

「なんだか凪っちみたいなこと言うのね」「そうなんですか」

「いいわ、デートを重ねましょう、でも学友に『小学生とデートしてる』みたいな噂を立てられないようにね!」


 ……それって、

 何をどうすれば良いんだよう。


「じゃ、行きましょ」

「あっ、そういえばバイクで質問ですが」「なあに?」

「例えばテイクアウトでピザ買ったとして、そのバイクでどうやって運ぶんですか」「首からぶら下げるわね」


 大丈夫なの、それ。

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