第14話 婚約者LINEグループがすでにあるらしい
「おかえり涼一くん」「Welcome back! リョーイチ」
「リョーちゃんおかえり」「涼一さ~ん、さっきぶりです~」
「ふふっ、おかえりなさい涼一君」「涼一、晩御飯よ食べましょう」
6人の婚約者に迎え入れられたタワマン最上階、
父さんの言っていた事、やりたいコンセプトは理解できたが、
心の準備と身体がまだついてこない感じ、こんな凄いお姉さん達に囲まれて。
(いや、これはもう凄いどころか『ヤベエ』だ)
ダイニングに案内され、
というか6人に囲まれて連行だなこれ、
陽菜ちゃんがえみとさんに謎におんぶされてるし。
「さあ座って」「はい田中さん、いえ凪さん」
「それで夕食の前に、忘れないうちになんだけてども」
「今夜ダレと一緒にネルか、決めてクダサーイ」「ええっ佐藤さん?!」
いきなり今夜?!
「もう、おケイさん」「OH MARUSE、イッツジョーク!」
「でもリョーちゃん、『絶対安全だと思った女性』を選んでまんまと貞操を奪われるとか興奮しない?」
「陽菜ちゃん何を言ってるんですか」「えっと~、お話を戻すと~、LINE登録です~」「ふふ、婚約者LINEよ」
景香お姉ちゃんがスマホを取り出す。
「さあ涼一も登録を、あとメールも交換しましょ」
「良いけど、ってその画面、小泉農園LINEって」
「弟たちが『早く帰ってきて~』とか言ってるわね」「えっ戻るの?」「その予定は無いけど」
あっ退会しちゃった、
良いのか、本当に良いのか、
まあ僕も婚約者グループLINEに入ってっと。
「涼一くん、これでいつでも繋がれるわね」
「はい凪さん、ケイさんも陽菜ちゃんも、れいさんもえみとさんも景香お姉ちゃんも、よろしく」
「シクヨロー」「狭い所に物が挟まったらいつでも呼んでね」「仲良くしましょ~」「ふふっ、いつでもポールダンスを見せるわ」
そして笑顔の景香お姉ちゃん。
「なんだかこれでやっと、実家と縁が切れて涼一の家庭に入った実感が湧いたわ」
「ちょ、気が早いっていうか、LINE抜けて入っただけでそんな」「後は選ばれるだけね」
「ええっと、そういえば僕が入れない、会社のLINEには」「もちろん入っているわ、見る?」
わざわざ見せてくれるらしい。
「良いのかなあ」
「あくまで遠藤さんの、会社のだから涼一に見られて困ることなんて……あっ」
見ると父さんが、
『各自、部屋に涼一を連れ込めたら押し倒して良いぞ!』
とか言っている、
いやその発言は父親としてどうなのよ。
「涼一、今のは見なかったことに」
「うんわかった、1人で景香お姉ちゃんの部屋には入らないようにするよ」
「幼い頃はよく私の部屋に遊びに来てたのに」「いや幼児と高校生じゃ話が」
そんな話をしているうちに、
大人組みんなが料理を並び終えた、
いやほんと豪華だな、引っ越し祝いみたい。
「リョーイチ、カンパイしまSHOW!」
「あっ、ケイさん夕食前にジュース?」「謎コーラYO!」
「みんなはお茶よ、ほらリョーちゃんも」「うん陽菜ちゃん、椅子の上に立ってるけどいいの?」「いいの!」
行儀が悪い、
と注意したいけどまあいいか。
「それで~、涼一さんの隣は~、私と~」
「うふっ、私よ、何かお手伝いが必要なら言ってね」
「いや普通に夕食を頂くだけなんですけれど、じゃあ乾杯!」
それにしても豪華だな、
一汁五采だ、まずはお味噌汁、
すげえ具沢山だ、贅沢だなあこれ。
「涼一、それ私が作ったの」
「あっ景香お姉ちゃんがってことはこの野菜」
「ウチの農園のよ、懐かしい味がする?」「いや、それは特に」
ひょっとして残りの、
5つのおかずは他のお姉ちゃんそれぞれが?!
「ええっと、この豆腐ステーキは」
「それはMEデスネー、健康に良いのdeath!」
「いや佐藤さん、ケイさん発音がなんとなくデスノートのデスだから!」
肉は鶏かあ、
なんとなくヘルシーっぽい。
「あっ、それは私よ、ふふ」
「えみとさんですか」「塩レモンで味付けしてネギをまぶしたわ」
「こっちの赤茶色いのはレバー?」「私ですね~、しっかり煮込んであります~」「れいさんかあ」
こうして引っ越し初日の夕食は、
みんな和気藹々で美味しく楽しくいただいた、
なんだろう、こんなに楽しい夕食、生まれて初めてかも?
(みんな笑顔だなぁ)
でも訳あって婚約者だ、
そのあたりの経緯っていうのは、
やっぱり知っておくべきか、どうなのか。
(みんな作り笑顔だったら怖いな)
まあ笑い声とかでわかるか、
一応、僕からも改めてみんなに、
きちんと挨拶をした方が良いよね、うん、しよう。
「じゃあみんな夕食が終わったら居間に集合で」
「ええ涼一くん」「OK!」「脚立は必要かしら?」
「はい~、何でしょうか~」「ふふ、お願いでもあるのかしら」「わかったわ涼一」
あっ、夕食後の食器洗いは手伝いたいかも、
中学時代のメイドは、絶対にさせてくれなかったからなぁ、
むしろやってみたかった、まである、お皿割らなきゃいいけど!




