6人目 小泉景香 16歳 同学年で従姉のお姉ちゃんがやってきた!
「ふーん、じゃあ本当にざっとおさらいした感じね」
午後1時から6時までの予定だった勉強会、
1時間毎に家庭教師を呼んで5科目終わってさあお開き、
ということで日曜ながら部活の助っ人に行っていた従姉が帰ってきて混ざった。
(とはいえ確認程度だけどね)
やった部分を教える程度、
それより友達3人は景香お姉ちゃんに興味深々、
勉強の延長というよりはお近づきになりたいだけなんじゃ、まあいいか。
「小林寛太です、小泉さんは中学は」
「栃木の実家よ、高校をこっちにするにあたって隣に引っ越したの」
そう、隣に。
「中川優斗でっす、小泉さん正式な部活は」
「入ってないの、涼一のお父さんの会社、そこのアルバイトで時間空けないといけないから」
ちなみに空ける時間は、
厳密にはアルバイトのためだけじゃないんだけど今は省略。
「大森和樹ですが、小泉景香さんは恋人は」
「ごめんなさい、恋人は居ないけど告白は全部断っています、まあデートしたいなら涼一が居るし」
「姉ちゃん! あ、あくまで姉と弟みたいなもんだから」「姉弟デートって普通よね?」「いやみんなジト目しないで!」
ここは詳しく掘るとボロが出そうだ。
「で涼一、次の科目は」「うん姉ちゃん、ええっと……」
「あっそうだ涼一」「どうしたの寛太」「次の勉強会、俺ん家、小泉さんも呼ぼう!」
「ごめんね忙しいから、でもここでみんなと勉強する日は、合わせようかな」「「「おおお!!!」」」
そんなにリアクション取らなくても!
「ええっと、ずっと毎回ウチでっていうのはさすがに」「じゃあ隔週かあ」
「ちゃんとJリーグの、ホームゲームある日は避けて」「だったら涼一、午前中に勉強で」
「うーん、優斗、それだと朝9時集合で勉強は3時間かな」「勉強会って週2なの?」「うん姉ちゃん、平日水曜と土日どっちか」
ただし水曜にJリーグのナイターがあれば前後にする予定。
「涼一」「うん姉ちゃん、次は数学で……」
「いやほんと涼一と小泉さん近いな」「いや和樹、教えてるだけだから」
「これでも今月再会したばかりよ」「えっ、いつ以来」「小学4年の夏以来ね」
これについては、
あまり触れて欲しくない。
「そんなことより、じゃあ景香姉ちゃん、この問題解いてよ」
「いいわ、んっと、ここの数式はこうよね、それでこうこう、こうして」
「うん姉ちゃん、それで合ってる」「ヤベエ、やっぱり賢い」「美少女ヒロインは優秀だあ」「同じクラスだったらなあ」
友達3人は、
もはや勉強そっちのけだな、
延長戦とはなんだったのか。
(まあ5時間も勉強した後だからね)
いやほんと、勉強も出来てスポーツ万能、
それでいて料理も得意でバイトもやってくれてて……
景香姉ちゃんこそ、6人中で一番ヤバイお姉ちゃんかも知れない。
「最後は歴史ね」「うん、えみとさんに教わった」
「歴史だったら野沢さんの方が」「あー、あのお姉さんは国内の一部限定だから」
「戦国ものとか江戸ものの漫画やアニメが好きですものね」「とはいえ今日やったのは日本史の最初の方で……」
そんな感じで本日の復習が終わり、
午後7時となって今度こそ本当にお開きだ、
いやPK戦とかないよ、さすがにみんな夕食に帰さないと。
「よし、みんな忘れ物はないよね?」
「ああ涼一、ヤベエ勉強会だたよっ!」
「ヤベエお姉ちゃんによろしく」「また会いたいよヤベエお姉ちゃん」
部屋から出ると、
そのお姉ちゃんたち5人がずらーっと玄関まで並んでいた!
「お疲れ様」「マタアソビニキテクダサーイ、って勉強だっけか」
「みんなをお見送りするためミニ脚立を持ってきたわ!」「お疲れ様でした~」
「ふふ、お腹空かさせてごめんなさいね」「という訳で弟を、涼一をこれからもよろしくね」
と、友人たちの後ろから声をかけた景香お姉ちゃんを含めると6人か、
にこにこで見送られるみんな、友人たちもぺこぺこ頭を下げてちょっと照れてる。
「あっ、一階まで送って行くから入館証はちゃんとタワマンの受け付けて返してね」
持って帰った所で明日以降は使えないけど!
そうして名残惜しそうな友人たちとタワマンの廊下へと出る、
エレベーターを待っている間、すっかり興奮気味の三人に詰められる。
「あのヤベエお姉ちゃん、6人も!」
「毎日あそこで一緒に暮らしているのか?!」
「ということは、涼一の部屋にしょっちゅう来るとか」
あー、もう妄想で悶々としているっぽいな。
「まずあそこで一緒に暮らしてはいないし、
部屋には用のある時しか来ないっていうか、
あくまでもタワマン内に寮があるって感じで、あっ来た」
エレベーターに乗り込む。
「ケイさんだっけ、遊びに来てって事は」
「寛太、来ても今度は誰も来ないぞ、いやお茶くらいは出してくれるか」
お姉ちゃんによっては一緒にゲームとかしたがる。
「あの脚立に乗ってた丸瀬さんって、本当に大人?」
「優斗、この間、バイク乗ってるの見たから間違いないし速攻で職務質問受けて免許見せてたから」
1・2カ月もすれば地元警察に周知されるはずって言ってたな。
「個人的には小泉さんの存在が一番ヤベエ」
「和樹、別にやましいことは何も」「本当に?!」「だから限りなく姉弟だって」
従姉だって立派な姉と弟の区分だし。
こうして1階ロビーに到着し管理受付にカードを返させて、
明日また学校でといった挨拶を最後にし、タワマンの外へ出るのを見送った僕であった、ふう、さあ『家』に帰ろう。
(えっと、今度はこっちの入館証を出してっと)
認証を済ませ、
さっきとは違う専用エレベーターへ、
到着したのは47階、そう、このタワマン最上階だ。
「到着、ここでも再認証、っと」
そして奥の豪華な戸別玄関へ、
この大きなタワマン最上階にある、
1フロア4世帯分しかないそのうちの1つだ。
「ただいまー」
カードキー&指紋認証で入ると、
速攻で29階から戻った6人のお姉ちゃんがお迎え。
「涼一くんお帰り」「ただいま凪さん」
「リョウイチお疲れサマ」「ただいまケイさん」
「リョーちゃん、どうだった?」「問題ないよ陽菜ちゃん」
なぜか頭を撫でたくなる、
ちなみにミニ脚立は肩にかけてら。
「涼一さ~ん、夕食にしましょ~」「うん、れいさんも待たせてごめん」
「ふふ、涼一君、お友達は喜んで頂けたかしら?」「そうだけど、あくまで勉強会だから!」
「それだけど涼一、夕食終わったらあと30分だけつきあってくれない?」「ま、まあ、景香姉ちゃんの頼みなら」
そうして本来の家である、
タワマン最上階での夕食だ。
「今日は日曜だからみんなで作ったわ」「今度はゴユージンも一緒にドウ?」
「次は目一杯、大人でセクシーな格好しようかしら」「陽菜ちゃんが?!」「リョーちゃん……」
「さ~、いただきましょ~」「うふ、勉強に疲れたら美味しいご褒美よ」「私もバスケで疲れてプリンだけじゃ足りなーい!」
そんなこんなで今月からの新生活、
僕を取り囲む6人お姉ちゃんたちなんだけど、
上は25歳から下は16歳まで、実はみんな……僕の婚約者である。
(そう、詳しい話は4月1日に遡るんだけれども……)
ちなみに次の日、
学校ではすでにウチのクラスでちょっとした噂になっていた、
そう、『遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい』……と。




