意外な人物、デュエルフィールドで再会
桜木花道がプロデュエリストとして華々しい活躍を見せる中、デュエル界に突如として現れた新星がいた。
その男は、圧倒的なプレイングと、その風貌から「ビッグ・ゴリラ」の異名で瞬く間に注目を集めていた。
しかし、その正体を知る者は、まだほとんどいなかった。
ある日、国内最大級のデュエル大会「キングス・カップ」の決勝トーナメントの組み合わせが発表された。
桜木の対戦相手として表示された名前を見て、会場全体がどよめいた。
「…河田雅史」
その名前に、桜木の脳裏に山王工業との死闘が鮮やかに蘇った。
コート上で、幾度となくぶつかり合った「丸ゴリ」こと河田雅史。
高校卒業後、彼はNBAに挑戦し、日本を代表する選手として活躍していたはずだ。
しかし、数年前からメディアへの露出が減り、いつの間にか消息不明となっていた。
まさか、こんな形で再会するとは、桜木自身も予想だにしなかった。
消息不明の河田雅史、そのデュエルスタイル。
河田のデュエルスタイルは、バスケ同様にオールラウンダーだった。どんな状況にも対応できる幅広いカードを操り、堅実な守りから一転、相手の意表を突く攻撃で瞬時に勝負を決める。
そのプレイングは、かつての桜木のように感情的になることはなく、常に冷静沈着。
まるで、バスケコートで「日本一のセンター」と謳われた頃の彼を彷彿とさせた。
大会前のインタビューで、河田は多くを語らなかった。「…バスケの世界から離れ、新たな挑戦を見つけただけだ。」とだけ。
しかし、その瞳の奥には、かつてバスケコートで桜木と対峙した時と同じ、静かな闘志が宿っていた。
一方、桜木は燃えていた。
「丸ゴリめ…まさかデュエルで再戦することになるとはな! よし、あの時の借りは、このデュエルで返してやる!!」
水戸洋平は、そんな桜木を見て苦笑しながらも、彼の背中を押した。
「花道、お前ならやれる。バスケで磨いたその集中力と、天才的なひらめきで、奴をぶっ倒してこい!」
運命のデュエル、再び。
「キングス・カップ」決勝トーナメント、準決勝。
桜木花道VS河田雅史。
会場は、二人のレジェンドの対決に、かつてないほどの熱気に包まれた。