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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第16章

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876 魂の日本人 下

 ミシエリル様も飲めるほうのようで、グイグイいっている。昼食の勢いではありませんよ。


 お妃様は……言わずもがな。少しは抑えてくださいませ。そんなにストレスが溜まっておいでで?


 仕方がないのでアルコール分解の付与を施しておきましょう。


「こんなに楽しい昼食は初めてだわ」


 だからって毎回ここに来ないでくださいませ。こっちは楽しくないので。わたしは気が重くて仕方がないですよ。


 お二方になにかあればわたしの責任。お妃様と公爵夫人の命はわたしなんかより重い。お腹を下しただけであらぬ目がわたしに向けられる。護衛侍女の目もわたしに向けられている。無許可で付与魔法を施したらどうなることやら。胃が痛くて仕方がないわ……。


 だからと言って食べないわけにはいかない。先にわたしが食べないといけないし、すべてを食べてなければならない。せっかく美味しいのに気持ちまで到達してくれないわよ。


 お二方はそんなこと知らんがな、って感じで料理やお酒を楽しんでいた。


「とても美味しかったわ。いつもこうならいいのだけれどね」

 

 すっかり油断している。ここなら安全だとわかっている行動なんでしょうね。ここのことが漏れるとしたらわたし側からになるでしょうからね。


「それはようございました。お酒の具合は如何ですか? 支障がある酔いなら浄化致します」


「あなたの魔法はそんなこともできるのね」


「試行錯誤の産物ですね。自分の力を知らなければ危険ですから」


「あなたはなんだったらできないのかしらね?」


「たくさんありますわ。特に、わたしには子を産むことはできませんね。病気ではなく、わたしの立場がそれを許しません。もちろん、己の価値は知っております。なので、婿を取り、妾が産んだ子をわたしの後継とします」


「……それはまた、斜め上の発想をするのね……」


「カルディム家には後継がおります。わたしが産む必要はありません。ただ、わたしが死んだあとも続かなければ困る者たちがおります。そのためにも後継となる者は必要です。それはわたしの血を継ぐ者でなくても構いません。思想を継いでくれるのなら誰でも構いません」


 できないのならできないで構わない。未来など不確定要素ばかりなのだから。そのときを生きる者に任せるわ。


「……あなたの考えは本当に斜め上を行っているのね……」


 自覚はある。でも、変えるつもりはない。それがわたしなりの責任と義務の果たし方だからね。


「それでもコルディーへの忠誠や貴族としての義務を疎かにするつもりはありません。わたしはこの国を愛していますから」


 そして、そこに暮らすおっぱいを守護している。世界のおっぱいはわたしのものよ! イェーイ!

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